この記事は、サービス管理責任者の市原 早映が監修しています。
「PhotoshopやIllustratorを使えるようになりたいけど、自分にできるのか不安…」と感じていませんか?
【結論】就労移行支援なら、未経験・障害特性があっても、PhotoshopとIllustratorを基礎から学べます。
- 週3日×8ヶ月で未経験 → グラフィックデザインの基礎習得
- バナー・チラシ制作を自力でできる状態を目標にします
- ※大規模案件のメインデザイン・アートディレクション・印刷費用管理は対象外。訓練は実務補助レベルを目指します
※本記事の期間目安は、週4〜5日通所を基準に記載しています。週3日の場合はおおむね1.5倍の期間を見込んでください。冒頭の「週3日×8ヶ月」は基礎(バナー/チラシ)までの目安です。
この記事では、就労移行支援でPhotoshop・Illustratorを学ぶ際の主な疑問にすべて答えます。
- 本当に学べるのか?未経験でも大丈夫か?
- 自分の障害特性でも受け入れてもらえる?
- MacとWindowsどちらで学ぶのか?
- デザインセンスがなくても大丈夫か?
- 感覚過敏への配慮はあるのか?
- 費用はいくらか?
- どんな企業に就職できるのか?
読み終える頃には、「自分にもできそう」と具体的な行動イメージが湧いているはずです。
就労移行支援でPhotoshop・Illustratorを学ぶ3つの大きなメリット
結論:就労移行支援なら、経済的負担を抑えながらAdobe製品を学べます。Adobe CCのライセンス費用(個人プラン目安:年7万円前後)は事業所負担のケースが多く、利用料も世帯所得区分に応じて0〜9,300円が一般的です。民間スクールは30〜80万円ですが、就労移行なら所得区分に応じて無料〜低額で利用可能です。
経済的負担がほとんどない
- 利用料:世帯の前年度所得区分で月額上限が決定(多くは0〜9,300円帯)
- 最大2年間の利用が可能
- Adobe Creative Cloudは事業所契約の例が多い(事業所により異なります)
- 高性能PCも用意されていることが一般的(事業所により異なります)
- 交通費補助は事業所/自治体により異なります
民間のデザインスクールは30万〜80万円かかりますが、就労移行支援なら所得区分に応じて決定します。Adobe CCのライセンス費用(個人プラン目安:年7万円前後)も事業所負担のケースが多く、自己負担を抑えられます。詳しくは就労移行支援の料金・自己負担をご確認ください。
個別サポートで確実にスキルアップ
- 学習進度に応じたカリキュラム調整
- 定期的な個別面談でモチベーション維持
- 就職活動まで一貫したサポート
- メンタルヘルス面でのケアも充実
- 作品制作へのフィードバックが丁寧
あなたのペースに合わせた個別学習が基本です。理解が遅くても、体調に波があっても、柔軟に対応してもらえます。デザインの良し悪しも一緒に考えながら進められるので、独学の孤独感がありません。
学習から就職まで一貫サポート
- スキル習得から就職活動まで一貫支援
- ポートフォリオ制作を手厚くサポート
- 履歴書・面接対策も充実
- 企業実習・インターンシップの機会
- 就職後の定着支援も継続(6ヶ月〜1年程度)
独学との最大の違いは、就職後まで見据えたサポートです。ポートフォリオ(作品集)の作り方から企業への売り込み方まで教えてもらえます。職場での困りごとにも対応してもらえるので、長く働き続けられます。
未経験・初心者でも本当に大丈夫?
結論:未経験からでも基礎から段階的に学べます。利用者の大半が未経験スタートで、マウス操作から丁寧に指導します。「レイヤー」「パス」などの専門用語も一つずつ解説します。
- 利用者の大半が未経験からスタート
- マウスの使い方、PC基本操作から学べる
- ツールの名称や機能を一つずつ丁寧に解説
- 理解度に応じてペース調整可能
- 最初は簡単な図形作成から始まる
未経験から始める方も多く、基礎→演習→実習の段階で進みます(比率は事業所により異なります)。「絵が下手だから無理」と思っている方も、デザインとイラストは別物なので心配いりません。
自分の障害特性でも受け入れてもらえる?
特性別の相性と配慮例
PhotoshopとIllustratorは多くの障害特性と相性が良い分野です。特に「細部にこだわる」「集中力が高い」という特性は、デザインの世界では大きな強みになります。苦手な部分については、支援員が一緒に対策を考えてくれます。
Photoshop・Illustratorに向いている人・向いていない人
こんな人におすすめ
- ビジュアル表現が好き・興味がある
- 細かい作業をコツコツ続けられる
- 一人で集中して取り組むのが好き
- デスクワーク中心の仕事がしたい
- 自分のアイデアを形にしたい
- Web・紙媒体のデザインに興味がある
- 在宅ワークも視野に入れたい
上記チェックリストで3つ以上当てはまれば、Photoshop・Illustratorはあなたに向いている可能性が高いです。「絵が描けない」ことは問題ではありません。デザインは「美しく情報を整理する技術」なので、論理的思考の方が重要です。
注意が必要な人
- 長時間のPC作業が体調面で難しい方
- 視覚的な作業が苦手な方
- クライアントの要望に応じた修正作業が苦痛な方
これらに当てはまっても、サポート次第で十分に学習可能です。例えば「修正作業が苦手」な場合は、事前の要件確認を丁寧にする方法を学べます。事業所選びの際に、配慮について相談してみてください。
Photoshop・Illustrator特有の疑問にお答えします
MacとWindows、どちらで学ぶのか?
- Mac環境の事業所:印刷・制作会社で導入比率がやや高い傾向
- Windows環境の事業所:社内広報やEC企業で多い傾向
- 両方用意している事業所:希望や就職先に応じて選択可能
PhotoshopとIllustratorはMac・Windows両方で動作します。どちらでも基本操作は同じなので、心配いりません。就職先のOS傾向を見学時に確認しましょう。
感覚過敏(色・光)への配慮はあるのか?
- 画面の明るさ調整:個別に輝度設定が可能
- ダークモード利用:Adobe製品は暗い背景モードに変更可能
- ブルーライトカット:眼鏡やフィルム使用OK
- 作業時間の調整:疲れやすい場合は短時間から開始
- 照明の調整:席の位置変更や間接照明の利用
- 色覚シミュレーション:Illustratorの校正設定などで配色を検証、コントラスト比(目安:4.5:1)も意識
デザイン作業は長時間モニターを見続けるため、感覚過敏への配慮は重要です。多くの事業所では個別の困りごとに応じた環境調整を行ってくれます。見学時に「光過敏がある」ことを伝えれば、対応可能な配慮を教えてもらえます。
デザインセンスがなくても大丈夫か?
- デザインには「理論」と「原則」がある
- 配色、レイアウト、タイポグラフィは学べる技術
- 優れたデザインを真似ることから始める
- フィードバックを受けながら改善を重ねる
- 「センス」ではなく「知識と経験」で上達する
「デザインセンスがない」と思っている方にこそ、就労移行支援は向いています。デザインは「なんとなく」ではなく、「なぜこの色を選ぶのか」「なぜこの配置なのか」という理由があります。その理論を一つずつ学べば、誰でも一定レベルのデザインができるようになります。
具体的に何をどう学ぶのか?
結論:基礎操作から実践的な制作まで、段階的に学びます。最初は選択ツールから、徐々に合成・イラスト制作へステップアップ。1〜3ヶ月で基本操作、4〜6ヶ月でチラシ・バナー制作、9〜12ヶ月でポートフォリオ完成(週4〜5日通所ベース)。
学習内容の例(段階別)
- Adobe製品の基本操作とインターフェース理解
- 選択ツール、移動、拡大縮小などの基本操作
- レイヤーの概念と使い方
- 簡単なバナー制作(Photoshop)
- 名刺・ロゴの模写(Illustrator)
- 色の基礎知識とカラーパレット作成
- 写真の補正・加工・合成(Photoshop)
- パスツールを使ったイラスト制作(Illustrator)
- チラシ・ポスターのレイアウト
- Webサイト用のバナー・アイキャッチ画像
- 印刷物とWebの違いの理解(解像度、カラーモード)
- 実際の案件を想定した課題制作
- ポートフォリオ制作(就職活動用作品集)
- 架空クライアント案件の実習
- 修正指示への対応練習
- 納品データの作成方法
- 他のツール(Figma、Canvaなど)との連携
- 企業実習でのデザイン業務体験
最初は基礎から始まります。「選択ツールって何?」というレベルから丁寧に教えてもらえます。徐々に実践的な内容に進み、週4〜5日通所なら約1年で就職レベルのスキルが身につきます。
どのくらいの期間で、何ができるようになる?
期間別の到達目標(週4〜5日通所の場合)
個人差はありますが、一般的な目安です。週4〜5日通所した場合の想定なので、週3日の場合は1.5倍程度の期間を見込んでください。あなたのペースで進めば大丈夫です。
なぜ就労移行で学ぶのか?一般スクールとの違い
障害のある方が安心して学び、確実に就職を目指すなら就労移行支援がおすすめです。
就労移行支援が向いている方
- 経済的負担を抑えたい
- 自分のペースで学びたい
- 障害特性への配慮が必要
- 就職まで一貫したサポートが欲しい
どんな企業に就職できる?職種と業務内容
就職先の業種・職種(傾向)
- Web制作会社のWebデザイナー・グラフィックデザイナー
- 広告代理店・デザイン事務所のアシスタントデザイナー
- 一般企業の広報・宣伝部のインハウスデザイナー
- 印刷会社のDTPオペレーター・デザイナー
- EC事業会社の商品画像加工・バナー制作担当
- 出版社・編集プロダクションのエディトリアルデザイナー
- ゲーム会社のUIデザイナー・2Dデザイナー
多くの企業でデザイン人材を求めており、バナー・チラシ作成などの求人は各地域で見られます。最近は一般企業でも社内にデザイナーを置くケースが増えており、選択肢は広がっています。
就職後の業務内容例
- バナー・広告画像の制作:WebサイトやSNS用の画像作成
- 写真の補正・加工:商品写真の色調整やトリミング
- チラシ・ポスターのデザイン:イベント告知などの紙媒体制作
- 名刺・パンフレットの制作:企業の販促物デザイン
- SNS投稿用画像の作成:InstagramやX(旧Twitter)用のビジュアル
- プレゼン資料のデザイン:PowerPointの見栄え向上
基本的にはデスクワークが中心です。クライアントとのやり取りはメールやチャットが多いので、対面コミュニケーションが苦手な方でも安心です。
給与の目安
給与は地域・雇用形態・職務範囲で幅があります(例:月18万〜25万円からのスタートが見られます)。障害者雇用枠でも、スキルがあれば一般雇用と変わらない待遇を提示する企業も増えています。実務経験を積めば、フリーランスや在宅ワークも視野に入ります。
資格取得・ポートフォリオ制作について
- Adobeの認定資格(Adobe Certified Professional)に対応している事業所もあります
- Webデザイン技能検定や色彩検定の取得を目指せる
- 実際に制作した作品をポートフォリオに(10〜15点を推奨、最低ラインは10点)
- 「なぜこのデザインにしたか」の説明文も重要
- 紙媒体とWeb(PDF)の両方を用意
実務では資格よりポートフォリオ(実際の作品・制作過程の記録)が重視されます。就労移行支援では、ポートフォリオ制作を手厚くサポートしてもらえます。「どの作品を入れるか」「どう見せるか」まで一緒に考えてくれるので、自信を持って面接に臨めます。
Photoshop・Illustratorに強い事業所の選び方
確認すべきチェックポイント(見学で聞く10項目)
- Photoshop・Illustratorの専門カリキュラムがあるか
- 実際にデザイン分野への就職実績があるか
- Adobe Creative Cloudのライセンスを使えるか
- デザイン実務経験者の支援員がいるか
- 企業での実習・インターンシップ制度があるか
- ポートフォリオ作成のサポートがあるか
- 素材・フォントの著作権ルールの指導があるか
- 個別支援計画を作成してくれるか
- 就職後の定着支援があるか
- 在宅訓練にも対応しているか(Adobe CC利用の仕組み含む)
見学の際に、上記のポイントを必ず確認してください。特に重要なのは「実際にデザイン分野への就職実績があるか」です。実績がない事業所では、せっかく学んでも就職につながらない可能性があります。
事業所選びに迷ったら、IT系事業所の選び方ガイドも参考にしてください。
利用にかかる費用と条件
利用料金
利用料は世帯の前年度所得区分で月額上限が決まります。
生活保護受給世帯/市町村民税非課税世帯
0円
市町村民税課税世帯(一般1)
月額上限 9,300円
上記以外(一般2)
月額上限 37,200円
※交通費・昼食は自治体/事業所により異なります。詳細は交通費・昼食費の補助をご確認ください。
多くの方が無料、または低額で利用できます。民間デザインスクールは30万〜80万円かかるのに対し、大きな経済的メリットがあります。
利用条件
- 障害者手帳をお持ちの方、または医師の診断書・意見書がある方
- 18歳以上65歳未満の方(原則)
- 一般企業への就職を希望される方
手帳がなくても、医師の診断書があれば利用可能です。発達障害、精神障害、身体障害など、障害の種類は問いません。
その他の費用
- PC貸与:多くの事業所で無料貸与(事業所により異なります)
- 教材費:基本的に不要
- Adobe Creative Cloud利用料:事業所契約の例が多い(事業所により異なります)
- 交通費補助:事業所/自治体により異なります
- 昼食提供:事業所により異なる(有料・無料・なし)
利用開始までの流れ
見学予約(電話・Web)
気になる事業所に連絡し、見学日を予約します。
施設見学
実際の訓練環境や雰囲気を確認します。PCのスペックやAdobe製品が使えるかチェック。
体験利用(1日〜数日)
実際のPhotoshop・Illustrator講座を体験し、自分に合うか確認します。
受給者証の申請(市区町村)
お住まいの市区町村の障害福祉課で受給者証の申請手続きを行います。
利用契約
事業所と正式に利用契約を結びます。個別支援計画を作成。
訓練スタート
いよいよPhotoshop・Illustratorの学習開始です!
見学は無料で、利用の義務もありません。複数の事業所を見学して比較するのがおすすめです。「ここなら通い続けられそう」という雰囲気の事業所を選びましょう。
所要期間:見学から利用開始まで平均1〜2ヶ月
在宅訓練・他サービス併用について
在宅訓練
- 在宅訓練は事業所の方針や自治体の運用で可否が分かれます
- ハイブリッド(通所+在宅)を採用する事業所もあります
- 体調に波がある方には特におすすめ
- オンラインでの質問・相談も可能
- Adobe CCのライセンス利用方法(個別ID/共有端末など)を見学時に確認
PhotoshopとIllustratorはPC作業が中心のため、在宅訓練と相性が良い分野です。ただし、ライセンスの関係で在宅では制限がある場合もあるので、事前確認が必要です。
他のサービスとの併用
就労移行支援と就労継続支援(A型/B型)の同時利用は原則不可です。移行の相談や時期調整は可能な場合があります。アルバイトとの併用は週20時間未満なら可能な場合もあります。詳しくは事業所や市区町村の障害福祉課に確認してください。
よくある失敗と注意点
失敗例と回避策
- 完璧主義で1つの作品に時間をかけすぎた → まずは70点で完成させる練習を
- センスがないと自信を失った → デザインは理論。フィードバックを素直に受け入れる
- 過集中で目や肩を痛めた → 25分ごとに休憩、ストレッチを習慣化
- ポートフォリオ作りを後回しにした → 制作物は必ず保存し、説明文もメモ
- 就職を焦って準備不足で応募した → 最低10作品はポートフォリオに入れてから
先輩たちのつまずきポイントを知っておけば、同じ失敗を避けられます。特にデザインを学ぶ上で気をつけたいのは、「過集中」と「完璧主義」です。意識的に休憩とペース配分を心がけましょう。
Photoshop・Illustratorが学べる事業所インタビュー
Photoshop・Illustratorの訓練を行っている事業所に、実際の取り組みについてお聞きしました。
デジキャリIT 天神オフィス
就労移行支援事業所LbyL* 堺筋本町
よくある質問(FAQ)
まとめ:Photoshop・Illustratorで新しいキャリアを
この記事のポイント
- 就労移行支援でPhotoshop・Illustratorは確実に学べる
- 経済的負担を抑えながら、個別サポートを受けられる
- 未経験でも、障害特性があっても大丈夫
- デザインセンスは理論として学べる技術
- MacとWindowsどちらでも学習可能(就職先の傾向に応じて選択)
- 感覚過敏への配慮もある
- 学習から就職、定着まで一貫してサポート
- ポートフォリオ制作(10〜15点)が就職活動の鍵
- まずは見学・体験から気軽に始められる
PhotoshopとIllustratorに興味を持ったあなた。まずは一歩踏み出してみませんか?適切なサポートを受けながら、あなたのペースで確実にスキルを身につけていけば、新しいキャリアへの道が開けます。あなたが持っている「細部へのこだわり」「集中力」「論理的思考」といった特性は、デザインの世界では大きな武器になります。
今すぐできる3ステップ
情報収集(今週中)
WAM NETで近くの就労移行支援事業所を検索。Photoshop・Illustratorのカリキュラムがある事業所を2〜3箇所リストアップし、見学予約の準備をする。
見学・体験(来月中)
リストアップした事業所に見学予約を取る。実際の訓練環境や雰囲気を確認し、「見学で聞く10項目」を質問。体験利用で実際のプログラムを試す。
利用開始(3ヶ月以内)
自分に合った事業所を選択し、市区町村で受給者証の申請手続き。利用契約を結び、Photoshop・Illustratorの学習スタート!
就労移行支援事業所を探すには
- 全国の事業所検索:独立行政法人福祉医療機構「WAM NET(ワムネット)」でお住まいの地域からPhotoshop・Illustrator対応の事業所を検索できます。
- 就職相談:厚生労働省「ハローワークインターネットサービス」で専門の相談員に相談できます。
見学は無料で、利用の義務もありません。「どんな雰囲気なのか見てみたい」「本当に自分にできるのか話を聞いてみたい」という気持ちだけで十分です。あなたの新しいキャリアへの第一歩を、応援しています。
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この記事の監修者
市原 早映(いちはら さえ)
2017年より就労移行支援・定着支援の現場で支援に従事。就労移行の立ち上げにも携わり、現在は定着支援に従事しながら就労移行支援もサポートしています。

