この記事は、サービス管理責任者の市原 早映が監修しています。
就労移行支援でパソコンスキルを身につけたいあなたへ
パソコン学習に興味を持ったあなた。でも、こんな疑問を抱えていませんか?
- 「今までパソコンをほとんど触ったことがないけど、大丈夫?」
- 「WordやExcelって、どのレベルまで学べるの?」
- 「発達障害があって、複数のソフトを同時に使うのが苦手なんだけど…」
- 「タイピングが遅いし、キーボード見ながらじゃないと打てない」
- 「パソコンの基礎だけじゃなくて、WEB制作やデザインにも興味があるんだけど学べる?」
【結論】パソコン学習に対応した就労移行支援事業所なら、あなたのレベルや目的に合わせて、基礎的な操作から実務レベルまで学べます。在宅訓練に対応している事業所もあります。
この記事では、以下の22の疑問すべてに答えます:
- 本当に学べるのか?未経験でも大丈夫か?
- 自分の障害特性でも受け入れてもらえる?
- どのくらいの期間で習得できる?
- どんな勉強・作業をするのか?
- WordやExcel以外に何が学べる?
- 一般のパソコンスクールとの違いは?
- 利用料金はいくらか?
- どんな企業に就職できるのか?
- 資格は取れるのか?
- よくある失敗やつまずきポイントは? (…全22項目)
読み終える頃には、「自分にもできそう」「ここから始めればいいんだ」と具体的な行動イメージが湧いているはずです。
**ただし、パソコン学習を包括的に学べる事業所は現時点では限られています。**この記事では、事業所選びのポイントも詳しく解説しますので、最後までお読みください。
就労移行支援でパソコン学習を学ぶ3つの大きなメリット
1. 経済的負担がほとんどない
- 利用料:前年の世帯収入(本人と配偶者)に応じて決定(多くの方が無料)
- 最大2年間の利用が可能
- PC本体は無料貸与が一般的
- Microsoft Office(Word、Excel、PowerPoint)も事業所が用意
- 専門ソフト(Photoshop、Illustratorなど)は事業所により対応が異なる
- 交通費補助のある事業所も存在
民間のパソコンスクールは数十万円かかりますが、就労移行支援なら前年の世帯収入に応じて決定します。住民税非課税世帯は無料です。
2. 個別サポートで確実にスキルアップ
- あなたの現在のスキルレベルから学習をスタート
- 「マウス操作から」でも問題なし
- 定期的な個別面談でモチベーション維持
- 障害特性に応じた学習ペースの調整
- つまずいたらすぐに質問できる環境
スクールと違って、クラス全体のペースに合わせる必要がありません。あなた専用のカリキュラムで学べます。
3. 学習から就職まで一貫サポート
- スキル習得から就職活動まで一貫支援
- 履歴書・面接対策も充実
- 企業実習・インターンシップの機会
- 就職後の定着支援も継続(6ヶ月〜1年程度)
- 職場での困りごとも相談可能
独学やスクールとの最大の違いは、就職後まで見据えたサポートです。せっかくスキルを身につけても、就職先が見つからなければ意味がありません。
未経験・初心者でも本当に大丈夫?
- 利用者の約8〜9割がパソコン初心者からスタート(一般的な傾向として)
- 電源の入れ方、マウスの使い方から丁寧に指導
- タイピング練習から始められる
- 「わからない」が当たり前の環境
- 理解度に応じてペース調整可能
就労移行支援を利用する方の多くが「パソコンはほとんど触ったことがない」という状態からのスタートです。スマホは使えてもPCは苦手、という方も大歓迎です。
自分の障害特性でも受け入れてもらえる?学習についていける?
特性別の相性と配慮例
| 特性 | パソコン学習との相性 | 配慮例 |
|---|---|---|
| 発達障害(ADHD) | ○ | 短時間で区切った学習、タイマー使用、チェックリスト活用 |
| 発達障害(ASD) | ◎ | 明確な手順書、ルーティン化、視覚的な説明資料 |
| 精神障害(うつ、統合失調症など) | ○ | 体調に応じた学習時間調整、無理のないペース設定 |
| 身体障害 | ◎ | 音声入力、マウス代替デバイス、画面拡大機能 |
| 視覚障害 | ○ | スクリーンリーダー、音声読み上げ機能、点字ディスプレイ |
| 聴覚障害 | ◎ | 文字ベースの教材、字幕付き動画、チャットでの質問対応 |
パソコン学習は座って作業できるため、多くの障害特性と相性が良い分野です。特に発達障害(ASD)の方は、明確なルールや手順があるパソコン操作と相性が良い傾向にあります。
パソコン学習に向いている人・向いていない人
こんな人におすすめ
上記で3つ以上当てはまれば、パソコン学習はあなたに向いている可能性が高いです。
注意が必要な人
- 長時間座っているのが苦痛
- PCやスマホの画面を見ると体調が悪くなる
- 人と関わる仕事がしたい(パソコンスキルを持ちながら接客・サポート業務という選択肢もあります)
これらに当てはまっても、サポート次第で十分に学習可能です。例えば、長時間座るのが苦痛な方は、短時間×複数回の学習スタイルで対応できます。
パソコン学習では具体的に何を学べるのか?
学習内容の全体像
パソコン学習は大きく分けて3つのレベルに分かれます:
【基礎レベル】デスクワーク全般で必要
- パソコンの基本操作
- タイピング
- Word(ワード)
- Excel(エクセル)
- PowerPoint(パワーポイント)
- メール・ビジネスマナー
【応用レベル】専門職で活かせる
- WEB系:HTML/CSS、WordPress、ホームページ作成
- グラフィック系:Photoshop、Illustrator、バナー制作
- データ処理:Excel関数・マクロ(VBA)
【実践レベル】より高度な内容
- プログラミング(Python、JavaScriptなど)
- WEBデザイン(デザインツールの応用)
- 動画編集(一部の事業所)
- 生成AI活用(一部の先進的な事業所)
【重要】すべての事業所で上記すべてを学べるわけではありません。基礎レベル(Word、Excel、PowerPoint)はほとんどの事業所で対応していますが、WEB系・グラフィック系の専門的な内容は、専門カリキュラムを持つ事業所に限られます。
段階別の学習内容(具体例)
基礎段階(1〜3ヶ月目)
パソコンの基本操作
- 電源の入れ方、マウス・キーボード操作
- フォルダ・ファイルの管理
- インターネットの使い方(検索、お気に入り登録)
- メールの送受信
タイピング
- ホームポジションの習得
- ブラインドタッチ(手元を見ずに入力)の練習
- 目標:1分間に50文字以上
Word基礎
- 文書作成の基本(文字入力、保存)
- 文字装飾(太字、色、サイズ変更)
- 画像挿入、表作成
- ビジネス文書の作成(報告書、議事録)
Excel基礎
- セルの入力、四則演算
- 基本関数(SUM、AVERAGE、COUNT)
- 表の作成、罫線の引き方
- グラフ作成(棒グラフ、円グラフ)
応用段階(4〜8ヶ月目)
Word応用
- 長文作成(見出し設定、目次自動生成)
- 差し込み印刷(宛名ラベル作成)
- テンプレート活用
Excel応用
- IF関数、VLOOKUP関数など実務で使う関数
- ピボットテーブル(データ集計)
- データベース管理
- マクロ入門(事業所により対応が異なる)
PowerPoint
- プレゼン資料の作成
- 効果的なスライドデザイン
- アニメーション設定
- 発表練習
選択科目(事業所により異なる)
- HTML/CSS基礎(ホームページの仕組み)
- Photoshop基礎(画像編集)
- WordPress入門(ブログ・HP作成ツール)
実践段階(9〜12ヶ月目以降)
実務を想定した総合演習
- 架空企業の事務業務シミュレーション
- データ入力・集計・レポート作成
- プレゼン資料作成
専門分野の深掘り(希望者・事業所により対応が異なる)
- WEB制作:簡単なホームページ制作
- グラフィック:バナー・チラシ制作
- データ分析:Excelマクロ・VBA
- プログラミング入門
ポートフォリオ作成
- 習得したスキルをまとめた作品集
- 就職活動でアピールできる成果物
【注意】上記は順調に進んだ場合の一例です。個人差が大きく、障害特性や体調の波によってペースは異なります。基礎段階に6ヶ月かかる方もいれば、3ヶ月で応用段階に進める方もいます。
実際の1週間のスケジュール例
通所型の場合(週5日通所)
Word学習
(ビジネス文書作成)
(関数練習)
(データ集計)
※希望者
※希望者
(実務シミュレーション)
就活準備
- 実質4〜5時間の訓練(集中力を保ちやすい)
- 週1回の個別面談で学習相談・メンタルケア
- 午前は新しい内容を学び、午後は実践演習
- WEB・グラフィック系は希望者のみ
在宅型の場合(週3日通所・2日在宅)
Word学習
(ビジネス文書作成)
(関数練習)
(データ集計)
※希望者
※希望者
(実務シミュレーション)
就活準備
- 実質4〜5時間の訓練(集中力を保ちやすい)
- 週1回の個別面談で学習相談・メンタルケア
- 午前は新しい内容を学び、午後は実践演習
- WEB・グラフィック系は希望者のみ
ポートフォリオ(作品集)の構成例
就職活動では、「何ができるか」を証明するポートフォリオ(作品集)が重要です。以下は標準的な構成例です。
推奨ポートフォリオ構成(5〜7作品)
- 実務で使える内容になっているか
- 誤字脱字がないか
- 見やすいレイアウトになっているか
- 期限内に完成したか(納期意識)
- 自分で説明できるか
【注意】WEB・グラフィック系の作品は、専門カリキュラムを持つ事業所でのみ制作可能です。基礎レベル(Word、Excel、PowerPoint)は、ほぼすべての事業所で対応しています。
どのくらいの期間で、何ができるようになる?
1〜3ヶ月:パソコンの基本操作、タイピング、Word・Excel基礎
→ 簡単な文書作成、データ入力ができるレベル
4〜6ヶ月:Word・Excel応用、PowerPoint、ビジネスメールマナー
→ 一般的な事務作業ができるレベル
7〜12ヶ月:実務を想定した総合演習、ポートフォリオ作成、専門分野(希望者)
→ 就職後すぐに実務で活用できるレベル
12ヶ月以上:WEB・グラフィック系の専門スキル(一部の事業所のみ)
→ より専門的な職種を目指せるレベル
上記は順調に進んだ場合の一例です。障害特性や体調の波、学習時間によってペースは大きく異なります。焦らず、あなたのペースで進めることが最も重要です。
なぜ就労移行で学ぶのか?一般のパソコンスクールとの違い
(世帯収入による)
(体調チェック・進捗報告・週1面談)
一般のパソコンスクールは「スキルを教える」ことに特化していますが、就労移行支援は「スキルを身につけて、就職し、働き続ける」ことまでサポートします。
どんな企業に就職できる?職種と業務内容
就職先の業種・職種(傾向)
【一般企業(障害者雇用枠)】
- メーカー:データ入力、事務サポート
- IT企業:社内SE補助、データ管理
- 商社・卸売業:受発注データ入力、在庫管理
- 金融機関:事務処理、データチェック
- 小売業:バックオフィス業務
- 行政機関:窓口サポート、データ入力
【WEB・グラフィック系(専門スキルを持つ場合)】
- WEB制作会社:コーディング補助、更新作業
- 広告代理店:バナー制作補助、画像加工
- 印刷会社:DTP(デスクトップパブリッシング)補助
【注意】障害者雇用枠での就職の場合、専門職として採用されるケースは現状では稀です。多くは「事務補助」「データ入力」などのサポート業務からスタートし、実績を積んでから専門業務に携わるケースが一般的です。
就職後の業務内容例
データ入力・事務サポート(最も多い)
- 伝票や書類のデータ入力
- Excel表への転記・集計
- 資料作成補助
- メール対応
経理・総務サポート
- 経費精算データ入力
- 請求書作成
- 備品管理
営業サポート
- 顧客データ管理
- 見積書・提案書作成
- プレゼン資料作成
WEB・グラフィック系(専門スキルがある場合)
- ホームページ更新作業
- バナー画像作成
- SNS投稿用画像加工
- ECサイト商品登録
給与の目安
一般的には月給18万〜23万円程度が多いです(地域や企業規模により異なる)。
地域別の傾向:
- 都市部(東京・大阪・名古屋):20万〜25万円
- 地方都市:18万〜22万円
経験を積むと:
- 3年後:20万〜28万円程度
- 5年後:22万〜30万円程度(事務リーダーなど)
給与は企業規模や業種、担当業務によって幅があります。上記はあくまで傾向としての目安です。
資格取得・検定対策について
取得を目指せる資格(事業所により対応が異なる)
基礎レベル
- MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト):Word、Excel、PowerPoint
- 日商PC検定:文書作成、データ活用
- タイピング技能検定
応用レベル
- 日商簿記検定(経理事務を目指す場合)
- ITパスポート(IT系を目指す場合)
- WEBクリエイター能力認定試験(WEB系を目指す場合)
【重要】資格がなくても就職できます。資格はあくまで「スキルの証明」であり、実務で使えるスキルとポートフォリオの方が重要です。事業所によっては資格取得支援を行っていますが、無理に資格を取る必要はありません。
就職活動で評価されるのは
- 実務を想定したポートフォリオ(作品集)
- 面接での実演(その場でExcelを使って見せるなど)
- 継続的に学習に取り組んだ姿勢
- 資格(補助的な評価)
パソコン学習に強い事業所の選び方:点数化チェックリスト
確認すべきチェックポイント(合計20点満点)
見学の際に、以下のポイントを確認してチェックを入れてください。合計14点以上なら見学推奨、18点以上なら積極的に検討する価値があります。
0 / 20点
【重要】事業所によってサービス内容には大きな差があります。複数の事業所を見学して比較することを強くおすすめします。特に、WEB・グラフィック系まで学びたい場合は、専門カリキュラムを持つ事業所かどうかを必ず確認してください。
利用にかかる費用と条件
利用料金
利用料は、前年度の世帯収入(本人と配偶者の合計収入)により決定します。
世帯収入別の月額上限額:
- 生活保護受給世帯:0円
- 住民税非課税世帯(障害年金のみ、年収約100万円以下):0円
- 世帯収入が一定以下(年収約600万円以下):月額上限9,300円
- 世帯収入が一定以上(年収約600万円以上):月額上限37,200円
世帯収入別シミュレーション例:
- 本人のみ(障害年金受給):0円
- 本人のみ(年収200万円):0円
- 夫婦世帯(世帯年収300万円):月額9,300円
- 夫婦世帯(世帯年収600万円):月額37,200円
多くの方が無料、または月額1万円以内で利用できています。
利用条件
- 障害者手帳をお持ちの方、または
- 医師の診断書・意見書がある方
- 18歳以上65歳未満の方(原則)
- 一般企業への就職を希望される方
手帳がなくても、医師の診断書があれば利用できます。不安な方は、市区町村の障害福祉課に相談してみてください。
その他の費用
無料が一般的なもの:
- PC本体の貸与
- Microsoft Office(Word、Excel、PowerPoint)
- タイピング練習ソフト
- e-learning教材
事業所により異なるもの:
- 専門ソフト(Photoshop、Illustratorなど)
- 資格受験料(自己負担の場合もある)
- 交通費(補助のある事業所もある)
事前に見学時に確認することをおすすめします。
利用開始までの流れ
Step 1:情報収集(今週中)
- インターネットで「就労移行支援 パソコン学習 [お住まいの地域]」で検索
- 気になる事業所を3〜5カ所リストアップ
- 各事業所のWEBサイトで学習内容を確認
**【重要】パソコン学習の中でも、基礎(Word、Excel)のみ対応の事業所と、WEB・グラフィック系まで対応の事業所があります。**あなたが学びたい内容に対応しているかを必ず確認してください。
Step 2:見学・体験(1〜2週間)
- 電話またはメールで見学予約
- 実際に事業所を訪問
- カリキュラム内容、サポート体制を確認
- 可能であれば体験利用(1日〜1週間程度)
Step 3:利用申請(2〜4週間)
- 市区町村の障害福祉課で「受給者証」の申請
- 必要書類:診断書または障害者手帳、印鑑、マイナンバー
- 審査・面談(自治体による)
- 受給者証の発行(2〜4週間)
Step 4:利用開始
- 事業所と利用契約
- 個別支援計画の作成(あなた専用のカリキュラム)
- 訓練スタート
合計で1〜2ヶ月程度かかります。すぐに始めたい方は、体験利用を活用すると、申請期間中も学習を進められます。
在宅訓練・他サービス併用について
在宅訓練
在宅訓練に対応している事業所が増加中です。特にパソコン学習は、在宅でも取り組みやすい分野です。
在宅訓練での出席扱いの条件(一般的な例):
- 朝の体調チェックフォーム送信(10時までに)
- 1日4時間以上の学習(e-learning教材、課題演習)
- 夕方の進捗報告(Slack、メールなど)
- 週1回のZoom面談(学習相談、メンタルケア)
在宅訓練が向いている人:
- 通所が体力的に難しい
- 体調に波があり、毎日通所は厳しい
- 人混みや電車が苦手
- 在宅ワークを目指している
他のサービスとの併用
就労継続支援B型との併用:
- 原則として併用不可(どちらか一方を選択)
- 就労移行で学習→就労継続支援B型で実践、という段階的な利用は可能
アルバイトとの併用:
- 週20時間未満のアルバイトなら併用可能
- ただし、就労移行の目的は「一般就労」なので、アルバイトに支障が出ない範囲で
自立訓練との併用:
- 事業所と自治体に要相談
- 生活リズムの安定が必要な場合は、自立訓練から始めるのも選択肢
よくある失敗と注意点
失敗例と回避策
失敗例1:基礎ができていないのに応用に進んでしまった
- WordやExcelの基本操作がおぼつかないまま、関数やマクロに進んでしまい、ついていけなくなった
回避策:
- 「早く就職したい」と焦る気持ちは分かりますが、基礎固めが最重要
- タイピングが遅い場合は、まずタイピング練習を徹底
- 支援員に「まだ基礎が不安」と正直に伝える
失敗例2:欠席が続いて学習が進まなくなった
- 体調不良や通所の負担で欠席が増え、学習ペースが落ちた
回避策:
- 無理して通所せず、在宅訓練を活用
- 「今日は調子が悪い」と早めに連絡
- 週1回でも継続することが大切
失敗例3:「自分には向いていない」と諦めてしまった
- Excel関数が理解できず、「自分には無理」と思い込んでしまった
回避策:
- つまずくのは当たり前。何度でも質問する
- 別の教え方(動画教材、図解資料など)を試してもらう
- 小さな成功体験を積み重ねる(簡単な課題から)
体調に波がある日のタスク設計テンプレート
パソコン学習は、体調に応じてタスクを切り替えることが大切です。
体調別の作業内容
- 無理をせず、体調に合わせた作業を選択
- △の日でも「タイピング30分できた」という達成感を大切に
- ×の日は罪悪感を持たず、休むことを優先
- 事業所に体調を正直に伝えることで、適切なサポートが受けられる
事業所見学での質問リスト12選
見学の際に、以下の質問をすることで、事業所の実態がよく分かります。
よくある質問(FAQ)
Q1. パソコンを持っていないのですが、大丈夫ですか?
A. 多くの事業所で無料貸与しています。訓練期間中は事業所のPCを使い、就職が決まってから購入を検討すればOKです。
Q2. Macでの学習は可能ですか?
A. ほとんどの事業所はWindowsです。デザイン系に特化した事業所では、Macを選べる場合もあります。見学時に確認してください。
Q3. タイピングが全然できないのですが…
A. 大丈夫です。利用者の多くがタイピング練習からスタートしています。3ヶ月程度で実務レベル(1分間50文字以上)に到達できる方が多いです。
Q4. 過集中で休憩を取るのを忘れてしまいます
A. タイマーを設定し、強制的に休憩を取るルールを作りましょう。支援員が声をかけてくれる事業所もあります。
Q5. 就職後、パソコンが使えなくなったらどうしますか?
A. 定着支援で、就職後6ヶ月〜1年はサポートが続きます。分からないことがあれば、すぐに相談できます。
まとめ:パソコンスキルで新しいキャリアを
この記事のポイント
- パソコン学習に対応した就労移行支援事業所なら、未経験から実務レベルまで学べる
- 多くの場合無料で、最長2年間利用可能
- Word、Excel、PowerPointは基本。WEB・グラフィック系まで学べる事業所もある
- 個別サポートで、あなたのペースで学習できる
- 学習から就職、就職後の定着支援まで一貫してサポート
- ただし、専門カリキュラム(WEB・グラフィック系)を持つ事業所は限られているため、事業所選びが最重要
あなたへのメッセージ
「パソコンが苦手」「自分には無理」と思っていたあなたも、適切なサポートがあれば必ずスキルアップできます。就労移行支援は、あなたのペースで、あなたの目標に向かって学べる場所です。
今は「マウスもうまく使えない」「タイピングが遅い」と感じていても、3ヶ月後には文書作成ができるようになり、半年後にはExcelで表を作れるようになります。1年後には、就職活動で自信を持ってアピールできるポートフォリオが完成しているはずです。
焦らず、一歩ずつ進んでいきましょう。あなたの「できる」は、確実に増えていきます。
今すぐできる行動
Step 1:情報収集(今週中)
- パソコン学習のカリキュラムがある事業所をリストアップ(基礎のみか、WEB・グラフィック系も学べるか確認)
- お住まいの地域で検索:「就労移行支援 パソコン学習 [地域名]」
- 気になる事業所を3〜5カ所選ぶ
Step 2:見学・体験(来月中)
- 電話またはメールで見学予約
- 上記の「見学質問リスト12選」を持参
- 可能なら1日体験を申し込む
Step 3:利用開始(3ヶ月以内)
- 市区町村の障害福祉課で受給者証を申請
- 事業所と契約
- あなた専用のカリキュラムで学習スタート
参考文献・データ出典
本記事では以下の公的機関のデータを参考にしています。
使用したデータソース
統計データの注釈
- 就職率、給与の目安などは、一般的な傾向として記載しています
- 個々の状況により結果は異なります
就労移行支援事業所を探すには
お住まいの地域の就労移行支援事業所は、以下のサイトで検索できます。
「パソコン訓練」「OA訓練」などのキーワードで絞り込むと、パソコン学習に対応した事業所が見つかりやすくなります。
はじめの一歩を踏み出すために
パソコンスキルは、これからの時代に必須のスキルです。障害があっても、あなたのペースで学べば、必ず身につきます。
今日、この記事を読んだことが、あなたの新しいキャリアの第一歩です。次は、気になる事業所に見学予約の電話をしてみませんか?「ちょっと話を聞いてみたいんですが…」それだけで大丈夫です。
あなたの「できる」を増やす旅は、もう始まっています。応援しています。
この記事は2025年の情報に基づいて作成されています。
制度や事業所の詳細は変更される場合がありますので、最新情報は各事業所に直接お問い合わせください。
この記事の監修者
市原 早映(いちはら さえ)
2017年より就労移行支援・定着支援の現場で支援に従事。就労移行の立ち上げにも携わり、現在は定着支援に従事しながら就労移行支援もサポートしています。

