この記事は、サービス管理責任者の市原 早映が監修しています。
「いよいよ、就労移行支援の見学に行くけど、何を聞けばいいんだろう?」 「持ち物や服装は? 当日、緊張してうまく話せるかな…」
初めての見学や体験は、期待と同時にたくさんの不安がつきものですよね。
でも、ご安心ください。この記事は、あなたの見学から契約、利用初日までを完全にシミュレーションできる、ステップバイステップのガイドです。各ステップの**「目的」と「確認すべきこと」**が明確にわかるので、もう当日迷うことはありません。
準備万端で、自信を持ってあなたに合う事業所を見つけに行きましょう!
まずは要点
見学:雰囲気・設備・支援体制を確認。
体験:指導の質・レビュー速度・自分の集中時間との相性を判断。
面談:ゴール(職種×働き方)と配慮事項・通所/在宅比率を共有。
契約:料金上限・日数・支援内容・解約/休止・個人情報の扱いを再確認。
初日:連絡手段・スケジュール・緊急時対応・端末/アカウント受け渡しを確認。
見学から初日までの5ステップ・シミュレーション
STEP 1: 準備編|見学・体験の前にやること
STEP 2: 見学編|「環境」と「雰囲気」をチェックする
STEP 3: 体験編|「支援の質」と「相性」を見極める
STEP 4: 面談・契約編|「計画」と「約束」を最終確認する
STEP 5: 利用初日編|スムーズなスタートを切る
STEP 1:準備編|見学・体験の前にやること
当日を万全の態勢で迎えるための準備です。
持ち物チェックリスト
自分の希望を整理する(最重要)
- ゴール:どんな職種に就きたいか?いつまでに就職したいか?
整理のヒント
「ITサポート」「データ入力」「Web更新」など具体的な職種名で考えてみましょう。期限は「半年以内」「1年以内」など、ざっくりでOKです。 - 働き方:在宅を希望するか?週に何日通えそうか?
整理のヒント
「完全在宅希望」「週2-3日は在宅」「基本は通所」など。通院や体調の波も考慮して現実的な範囲で考えてみてください。 - 配慮事項:どんな配慮があれば安心して訓練できるか?
整理のヒント
「静かな席」「定期的な休憩」「予定変更時の早めの連絡」「短時間からのスタート」など、具体的にメモしておきましょう。
服装: 清潔感のあるカジュアルな服装でOK。体験日は動きやすいものがベター。
STEP 2:見学編|「環境」と「雰囲気」をチェックする
あなたのゴール: この場所の空気感が、自分に合うかどうかを肌で感じること。
所要時間: 30分〜60分- 施設環境をチェック
確認することリスト
・事業所の清潔さ、整理整頓の状況
・訓練スペースの広さ、席の配置(パーテーションの有無など)
・騒音や光など、感覚的に気になるところはないか
・PCのスペックや周辺機器の充実度 - 人の雰囲気を観察
確認することリスト
・スタッフの表情や利用者への接し方
・他の利用者の雰囲気や集中度合い
・質問しやすそうな雰囲気か
・個人のペースが尊重されているか - 成果物の見本を見せてもらう
確認することリスト
可能なら**レビュー例**や**成果物の見本**も見せてもらいましょう。あなたが目指すレベルの参考になります。
STEP 3:体験編|「支援の質」と「相性」を見極める
あなたのゴール: 実際のプログラムを通じて、支援内容が自分の目標に合っており、スタッフとの相性も良いかを確認すること。
所要時間: 半日〜1日
- 指導の質をチェック
確認することリスト
・カリキュラムの内容は分かりやすいか
・スタッフの教え方は丁寧か、質問しやすいか
・質問や課題提出後のフィードバックは早いか
・レビューの具体性はどの程度か - 自分との相性を確認
確認することリスト
・自分のペースで集中して取り組めそうか
・体調配慮やオンライン対応の柔軟性
・コミュニケーションスタイルが合うか
・疲労度や集中持続時間はどうか
このステップで聞くべき質問(すぐ使える)
体験中や体験後に、以下の質問をしてみましょう。遠慮せずに具体的に聞くことで、事業所の支援体制がよく見えてきます。
週あたりの個別指導時間はどのくらいですか?
課題提出から初回フィードバックまでの平均時間は?
成果物の公開方針は?(GitHub/スクショ/説明資料)
在宅/通所の比率やリモート時の支援のやり方は?
実習から採用につながった具体例は?
STEP 4:面談・契約編|「計画」と「約束」を最終確認する
あなたのゴール: 自分の希望が支援計画に反映されているか、そして料金やルールについて納得した上で契約すること。
所要時間: 各30分〜60分
- 面談で話すこと
詳しく解説
・準備編で整理した「自分の希望」を正直に伝える
・体験で感じたこと(良かった点、不安な点)を共有する
・**週の通所/在宅比率**、個別指導時間、求人開拓方針、定着支援の枠組みを確認 - 契約時に確認する書類
詳しく解説
・**個別支援計画書**: あなたの目標達成までのプランが書かれている
・**重要事項説明書**: 料金(月額上限)、日数、支援内容、解約/休止のルール、個人情報・成果物の取り扱いが書かれている
書面は必ず保管してください。
STEP 5:利用初日編|スムーズなスタートを切る
あなたのゴール: オリエンテーションを受け、明日から一人で迷わず訓練を始められる状態になること。
所要時間: 60分〜90分
- 基本的な流れを確認
確認することリスト
・1日のスケジュールと流れ
・訓練開始前の準備(PC起動、資料確認など)
・休憩時間の過ごし方
・終了時の片付けやデータ保存方法 - 連絡・緊急時対応を確認
確認することリスト
・スタッフへの連絡手段(チャット、メールなど)
・遅刻・欠席時の連絡ルール
・体調不良時の対応方法
・緊急時の連絡先 - 機材・アカウント受け渡し
確認することリスト
・PCやタブレットの貸与
・各種ツール・サービスのアカウント情報
・パスワード管理のルール
・持ち帰り可否やセキュリティルール
所要時間の目安(全体)
工程 | 目安時間 | ポイント |
---|---|---|
見学 | 30〜60分 | 雰囲気・設備・支援体制の確認 |
体験 | 2〜4時間〜1日 | 指導の質/レビュー/集中時間の適合 |
面談 | 30〜60分 | ゴール共有・配慮事項・日数/在宅比率 |
契約 | 30〜45分 | 料金・支援内容・解約/休止ルール確認 |
初日 | 60〜90分 | 連絡手段・端末/アカウント・緊急時対応 |
FAQ(見学・体験・契約)
見学の服装に決まりはありますか?
清潔感のあるカジュアルで問題ありません。体験日は動きやすい服装が無難です。
家族や支援者の同行はできますか?
多くの事業所で同行可能です。予約時に人数と関係性を伝えてください。
当日のキャンセルや遅刻はどうすれば?
電話または指定の連絡手段でなるべく早く連絡を。リスケルールも事前に確認しましょう。
体験で合わないと感じた場合は?
複数事業所を比較して問題ありません。相性や支援の手厚さは事業所ごとに違います。
まとめ:あなたが主役の見学・体験
見学や体験は、事業所があなたを「評価」する場ではなく、あなたが事業所を「見極める」ための大切な機会です。
この記事のシミュレーションとチェックリストを武器に、自信を持って臨んでください。準備編で整理した「自分の希望」を軸に、各ステップで確認すべきことを着実にチェックしていけば、あなたにぴったりの事業所が必ず見つかります。
あなたの新しい一歩を心から応援しています!
出典・一次情報
- 障害者総合支援法(e-Gov法令検索)
- 厚生労働省:就労移行支援(制度概要・PDF)
- 障害福祉サービス等報酬改定(告示・通知・Q&A)
- 厚生労働省:統計(障害福祉・関連統計)
- ハローワーク インターネットサービス(求人票仕様等)
- 職業情報提供サイト(Job Tag)
- Microsoft Learn/Power Platform 公式ドキュメント
- Google Cloud/Looker Studio 公式ヘルプ
- GitHub Docs(バージョン管理の基礎)

この記事の監修者
市原 早映(いちはら さえ)
2017年より就労移行支援・定着支援の現場で支援に従事。就労移行の立ち上げにも携わり、現在は定着支援に従事しながら就労移行支援もサポートしています。