この記事は、サービス管理責任者の市原 早映が監修しています。
「通うのが難しいけど、就労移行支援を受けたい」
「近くの事業所に、学びたいスキルを教えてくれるところがない」
「対人関係が苦手で、人と会うこと自体が負担…」
そんな悩みを抱えているあなたに知ってほしいのが、就労移行支援の「在宅訓練」です。
この記事では、在宅訓練の制度、実際の訓練内容、事業所の選び方、成功のコツまで、在宅訓練について知りたいすべての情報を分かりやすくまとめました。さらに、実際に在宅訓練を提供している事業所の支援員の方に直接お話を伺い、現場のリアルな声もお届けします。
まず結論:在宅訓練で何ができるのか
自宅でオンライン訓練を受けられる
通所が困難な方も就労移行支援を利用可能
月1回の対面義務あり、ただしスタッフ訪問でもOK
これにより全国の事業所が選択肢に
通所型と同じ公的サービス
利用できる人
- 障害福祉サービス受給者証を取得できる方(障害者手帳は必須ではない)
- 通所が困難な理由がある(身体的・精神的・地理的)
- 自宅に訓練環境がある(PC、ネット回線、集中できる空間)
在宅訓練とは|制度の基本を理解する
在宅訓練が認められた背景と現在の位置づけ
就労移行支援は本来「通所」が原則でしたが、2020年のコロナ禍をきっかけに在宅でのサービス提供が正式に認められました。現在は恒久的な制度として、自治体の判断で在宅訓練の利用が承認されます。
法的根拠は障害者総合支援法に基づく「就労移行支援事業所における在宅でのサービス提供」で、厚生労働省の通知により運用されています。通所型と同じ公的サービスなので、利用料も同じ負担上限が適用されます。
「コロナ禍で行政の対応が柔軟になり、在宅訓練が許可されるようになりました。もともと在宅訓練はありましたが、コロナ前は重度の身体障害など通所が本当に困難な方に限られていました。コロナ禍を経て、在宅訓練が出席扱いとして広く認められるようになり、現在も継続しています」
市原早映(サービス管理責任者)
在宅訓練を利用する代表的な4つのパターン
在宅訓練を利用する理由は人それぞれですが、自治体への申請時には「通所が困難な理由」を説明する必要があります。
①身体的理由
肢体不自由、車椅子利用、慢性疾患による体調不良。通所に片道1時間以上かかる身体的負担。医師の診断書や意見書があれば、自治体が在宅訓練を承認する根拠となります。
②精神的理由(最も多いパターン)
対人不安、社交不安障害、パニック障害、うつ症状、発達障害による感覚過敏など。「人と会うのが怖い」「電車に乗れない」という悩みも、医師の診断があれば在宅訓練の理由として認められます。実際に在宅訓練を選ぶ利用者の約60%※がこのパターンです。
③地理的理由(専門性を求める方に多い)
居住地域に適切な事業所がない、近くに学びたいスキルを教えてくれる事業所がない、公共交通機関が少ない・通所に片道2時間以上かかるなど。特に地方在住の方が、都市部の専門事業所に在宅で通う方が増えています。
④その他の理由
育児・介護との両立が必要、感染症リスクへの配慮(免疫抑制剤使用など)、季節性の体調変動があるなど。
※複数の事業所へのヒアリングに基づく推定値です。実際の割合は事業所や地域により異なります。
【最重要】月1回の対面義務とその革命的な意味
制度上、月1回以上の対面支援が義務付けられていますが、「事業所スタッフが利用者の自宅を訪問する」形でもOKです。
これが意味する3つのこと:
1. 北海道在住でも東京の専門事業所に申し込める
月1回スタッフに来てもらえば、残りの日はすべて在宅訓練で完結します。つまり、物理的な距離は問題になりません。ただし、事業所が訪問対応を行っているか、交通費をどう負担するかは事業所ごとに異なります。
「事業所まで来られる方は来所で面談、難しい方はスタッフがご自宅や近くまで伺う形で対応しています。基本的に利用者さんの希望に合わせています。全国どこにいても公平に学べる環境を提供していきたいと考えています」
市原早映(サービス管理責任者)
2. 地方在住でも都市部の専門事業所を選べる
「近くの事業所はビジネスマナー中心だけど、Webデザインを学びたい」という場合、東京・大阪の専門特化型事業所に申し込めます。これにより、地方と都市部の教育格差が大幅に縮まります。実際に、青森から東京のプログラミング特化事業所を利用している例もあります。
3. 交通費より専門性を優先できる
通所型なら交通費が毎日かかりますが、在宅訓練なら月1回の訪問交通費のみ。トータルコストで考えると、遠方の専門事業所の方が合理的なケースもあります。事業所によっては、訪問交通費を事業所が全額負担するところもあります。
・事業所が訪問対応を行っているか(見学時に必ず確認)
・交通費の負担方法:全額事業所負担、一部自己負担、実費精算など
・自治体が他地域の事業所利用を認めるか:受給者証申請前に自治体の障害福祉課に相談
通所型との違い|比較表
| 項目 | 通所型 | 在宅訓練型 |
|---|---|---|
| 訓練場所 | 事業所内(毎日通所) | 自宅(月1回のみ対面) |
| 対人接触 | 毎日、他の利用者・スタッフと対面 | オンライン中心、月1回のみ訪問 or 通所 |
| 通勤負担 | 毎日の通所が必要(交通費も毎日) | なし(訪問交通費は月1回のみ) |
| 選べる事業所 | 通える範囲(片道1時間程度) | 全国(訪問対応可能な事業所) |
| 最大のメリット | 対面サポート、仲間との交流、生活リズム確立 | 通所負担ゼロ、専門事業所を選べる、対人ストレス軽減 |
| 向いている人 | 生活リズムを整えたい、仲間と学びたい | 対人不安がある、通所困難、専門スキルを学びたい |
在宅訓練を選ぶ本当の理由|あなたに当てはまりますか?
在宅訓練を選ぶ理由は人それぞれですが、実際の利用者データや事業所へのヒアリングによると、以下の3つが多数を占めています※。
※割合は複数の事業所データに基づく推定値です。実際の割合は事業所や地域により異なります。
理由①:対人不安・社交不安がある(約60%)
人と会うこと自体が大きなストレス、集団の中にいると緊張して何も手につかない、他人の視線が気になって集中できない、といった悩みを持つ方が最も多いパターンです。在宅訓練なら、他の利用者と顔を合わせる必要がありません。Zoomの朝会も、ビデオオフ・音声のみの参加を認める事業所が多いです。チャットでのコミュニケーションが中心なので、対面より心理的負担が軽く、「これなら続けられる」と感じる人が多数います。
理由②:近くに学びたいスキルを教える事業所がない(約25%)
近くの事業所はビジネスマナー・軽作業が中心でWebデザインやプログラミングを教えてくれるところがない、IT特化型の事業所は都市部に集中している、という地方在住者の切実な問題です。在宅訓練なら、物理的な距離は関係ありません。東京のWebデザイン専門事業所、大阪のプログラミング特化事業所など、全国から自分に合った事業所を選べます。
理由③:通勤による身体的・精神的負担が大きい(約15%)
電車の満員が耐えられない(感覚過敏)、片道1時間の通所で体力を消耗、天候や体調で通所できない日が多い、という方です。在宅訓練なら通勤ゼロ。体調が悪い日でも、自宅なら短時間だけ参加することもできます。
「体調不安がある方は午前だけ、午後だけ、1時間だけなど短時間から始め、少しずつ増やすことができます。無理なく継続できる環境を整えています」
市原早映(サービス管理責任者)
診断チェックリスト|在宅訓練が向いているか確認
在宅訓練 適性診断
✓ 在宅訓練が向いている可能性が高い人
△ 慎重に検討すべき人(ハイブリッド型がおすすめ)
✓が3〜4つ:在宅訓練の検討価値あり(体験利用推奨)
△が4つ以上:週2〜3日通所を組み合わせた「ハイブリッド型」を検討
在宅訓練の具体的な内容|何をどうやって学ぶのか
使用するツールとプラットフォーム
在宅訓練は、以下のツールを使ってオンラインで実施されます。全て使いこなす必要はなく、事業所が指定するツールを使って訓練を進めます。
🎥 ビデオ会議ツール
Zoom、Google Meet、Microsoft Teams。朝会・終礼、個別面談、グループワーク、講義に使用します。
💬 チャットツール
Slack、Chatwork、LINE WORKS。日常の報連相、質問、雑談、ファイル共有に使用します。
🏢 バーチャルオフィス
メタライフ(metalife)など。通所と在宅の利用者が同じ空間で過ごす感覚、会話も可能です。
📋 学習・出席管理
Googleクラスルーム、ノウビー(khowbe)など。教材配布、課題提出、進捗管理、出席記録に使用します。
「メタライフ上で通所の方と在宅の方が同じ空間にいる感覚で過ごせます。会話も可能です。Slackで情報共有し、ノウビーで出席・終了時刻を記録します。初日は、これらのサービスのアカウント発行や操作説明を行います」
市原早映(サービス管理責任者)
学べる内容(4つのカテゴリ)
①基礎的なビジネススキル
ビジネスマナー(メール、報連相、敬語)、Office系ソフト(Word、Excel、PowerPoint)、タイピング、PC操作、ビジネス文書作成。在宅訓練では、動画教材での学習、オンライン朝会での実践、チャットでの報連相練習を通じて身につけます。
②専門スキル(事業所により異なる)
Webデザイン(HTML、CSS、Photoshop、Illustrator、Figma)、プログラミング(Python、JavaScript、PHP、Rubyなど)、データサイエンス・Webマーケティング、生成AI活用、動画編集、Webライティング、データ入力・分析など。
「うちは少し特殊で、データサイエンス、Webマーケティング、生成AIなどITに特化した訓練が中心です。午前・午後にさまざまなゼミを開催しており、在宅の方はそこに参加される方が多いです。一般的な事業所では、WordやExcelの学習、資格試験の学習、データ入力、オンラインのグループワーク、就活期には求人検索・応募書類作成・オンライン模擬面接などがあります」
市原早映(サービス管理責任者)
③就労準備(キャリア支援)
自己分析・適職診断、履歴書・職務経歴書の作成、面接練習(オンライン形式含む)、企業研究・求人検索、就職後の定着支援。特にリモート求人を狙う場合、オンライン面接の練習は必須なので、在宅訓練での経験が直接役立ちます。
④自己管理・健康管理
生活リズムの記録と改善、ストレスマネジメント、服薬管理、体調管理。日報での記録、週次面談での振り返り、体調チェックシートの活用を通じて、自己管理能力を高めます。
在宅訓練の1日|標準的なスケジュール例
Webデザイナーを目指すAさん(30代、社交不安障害)の1日
10:00〜10:15
メタライフで朝礼(ビデオオフ・音声のみ参加OK)、今日のタスク宣言
10:15〜12:00
Webデザイン学習(HTML/CSS実践課題)※50分訓練+10分休憩を繰り返し
12:00〜13:00
昼休憩
13:00〜14:50
オンライングループワーク(3人チームでLP制作)
15:00〜15:30
キャリアアドバイザーと1on1面談(週2回)
15:30〜16:00
ノウビーで訓練内容・体調などを日報として記録
16:00〜16:15
メタライフで終礼、雑談チャンネルで締めの挨拶
「1日の流れは、10:00朝礼→訓練(50分+10分休憩)を1時間枠で回し、12:00〜13:00が昼休み。13:00〜14:50も同様に訓練、終礼。日報は、体調、開始・終了時刻、どんな訓練をしたか、感想や相談事を自由記述。一言でも可で、不合格扱いはありません」
市原早映(サービス管理責任者)
現場の声|在宅訓練支援員に聞く、リアルな実態
ここからは、実際に在宅訓練を提供している事業所の支援員の方に、在宅訓練の実態について詳しくお話を伺いました。
在宅訓練を希望する方へ、まず伝えたいこと
「通所でなくても、オンライン上で通所と同じ支援を受けられます。メタライフというバーチャルオフィスを使えば、ゼミやグループワークにも同じ空間のような雰囲気で参加できるんです。『東京の事業所は遠いから…』と諦めている方に、全国どこにいても公平に学べる環境があることを知ってほしいですね。ただし、在宅訓練や遠方からの利用は、お住まいの地域の障害福祉課の判断が必要で、必ず許可されるとは限りません。私たちは自治体とも積極的に連携し、なるべく希望に沿えるよう努めますが、申請前に必ず自治体に相談していただきたいです」
市原早映(サービス管理責任者)
「ひとりにしない」伴走体制について
「メタライフ上で通所の方と在宅の方が同じ空間にいる感覚で過ごせます。会話も可能です。毎日ゼミがあり、利用者同士の意見交換や相談も活発ですよ。個別面談の頻度は人によってさまざまで、毎日の方もいれば、週1の軽い面談だけの方もいます。体調の相談は、決まった面談以外でも随時受けています。Slackでの質問には、営業時間内ならおおむね1時間以内には返信するように心がけています。その日に出席予定の方がメタライフにログインしていない場合は、まず半日ほど様子を見ることがあります。反応がなければSlackで状況をうかがい、それでも連絡がつかない場合は電話をします」
市原早映(サービス管理責任者)
就活への進み方と成長の見立て
「就活へ進む基準は出席率や出席時間で見ることが多いです。やむを得ない理由がない限り、直近1か月で8〜9割以上の出席率、10時から終礼まで遅刻なく参加できるのが理想です。特に在宅勤務での就職を希望する場合は、進捗報告や連絡頻度も大事です。訓練時間内でおおむね1時間以内に返信できるかどうかも見ています」
市原早映(サービス管理責任者)
成功事例:完全在宅から在宅就職へ
対人や外出で強いストレスがある方が、完全在宅で訓練を開始(月1対面はあり)。出席率はほぼ100%で、連絡や報告もしっかりしていました。
早期に就活を始め、社内DXの長期インターン(半年)に在宅で参加。最初の2か月は無給でしたが、その後の4か月はアルバイト契約として時給が出ました。
インターン後に再度選考があり、契約社員として採用。在宅勤務・実働7時間。2週間に1度の通院があり、通院時間の確保や早退などの配慮を受けています。評価は「真面目で知識が豊富、グループワークでリーダーシップを発揮」とのことでした。
体験利用・受け入れについて
「体験利用は無料です。申請前の体験は多くの事業所で1週間程度など期間制限がありますが、受給者証の申請後、発行されるまでの間は基本的に制限なく体験利用として訓練を受けられます。この期間も正式利用と変わらない支援を受けられ、就労移行の原則2年の利用期間にはカウントされません。月1対面がどうしても不可な場合や、自宅にインターネット環境がない場合は難しいですが、PCの使い方が全くわからない場合は、最初は通所でPC操作に慣れるところから始め、ひとりで操作できるようになってから在宅に移行するのが現実的です」
市原早映(サービス管理責任者)
在宅訓練を始めるまでの流れ|申込み〜開始の5ステップ
在宅訓練を実際に始めるまでの全体像を、5つのステップで解説します(目安期間:最短1週間〜最長2ヶ月)。
事業所選び(1〜3日)
学びたいスキルで事業所を検索・比較。在宅訓練対応+訪問対応の可否を確認。
体験利用
無料。申請前は1週間程度の制限がある事業所が多い。申請後は受給者証発行まで基本的に制限なし。実際のツールや雰囲気を体験。
自治体への事前相談(1〜3日)
市区町村の障害福祉課で、他地域の事業所利用が可能か確認。医師の意見書があると承認されやすい。
受給者証の申請(数日〜2ヶ月)
必要書類:①申請書(自治体指定様式)②サービス等利用計画案(相談支援専門員が作成)③医師の意見書(通所困難な理由を記載)。発行期間は自治体により大きく異なります。
訓練開始
受給者証の開始日から正式利用スタート。初日はアカウント発行・操作説明。体験期間は2年の利用期間にカウントされません。
在宅対応事業所の探し方と選び方
STEP1:学びたいスキルで事業所を絞り込む
在宅訓練の最大のメリットは、地域に縛られず、専門性で事業所を選べること。まずは「何を学びたいか」を明確にしましょう。
検索キーワード例:「就労移行支援 Webデザイン」「就労移行支援 プログラミング」「就労移行支援 動画編集」「就労移行支援 IT特化」「就労移行支援 生成AI」
複数の事業所をリストアップし、Webサイトでカリキュラムを確認します。IT特化型の事業所の選び方もあわせてご参照ください。
STEP2:「在宅訓練対応」「訪問対応」を確認
- 在宅訓練に対応しているか:Webサイトに「在宅訓練対応」「オンライン対応」の記載があるか、在宅利用者の実績はあるか
- 訪問対応は可能か:月1回の対面支援を、スタッフ訪問で対応してくれるか、訪問エリアに制限はあるか
- 交通費の負担は?:訪問にかかる交通費は誰が負担するか、全額事業所負担か一部自己負担か
STEP3:自治体に他地域の事業所利用が可能か相談
気になる事業所が他の都道府県にある場合、受給者証を発行する自治体(あなたの住所地の市区町村)に事前相談します。
「他県の事業所を在宅訓練で利用したいが可能か」
「月1回の訪問対応がある場合、受給者証は発行されるか」
「通所困難な理由(対人不安、専門性など)で承認されるか」
自治体によって判断が異なりますが、訪問対応があれば承認される可能性は高いです。医師の意見書があると、さらに承認されやすくなります。
STEP4:オンライン見学・体験利用で最終判断
多くの事業所がオンライン見学・体験利用に対応しています。実際に使うツールを体験し、雰囲気を確認しましょう。
| チェック項目 | A判定(推奨) | C判定(要注意) |
|---|---|---|
| ①在宅利用者の割合 | 30%以上 | 10%以下 |
| ②チャット質問への返信時間 | 営業時間内1〜2時間以内 | 翌日以降 |
| ③個別面談の頻度 | 週1回以上 | 月1回程度 |
| ④リモート就職実績 | 年間5件以上 | 実績なし or 不明 |
| ⑤オンライン完結度 | カリキュラムの90%以上 | 対面前提の内容が多い |
※判定基準はあくまで目安であり、事業所や個別の状況により異なります
見学時に必ず聞くべき質問リスト
- 月1回の対面支援は、スタッフの自宅訪問で対応可能ですか?訪問にかかる交通費はどのように負担しますか?
- 他の都道府県からの利用者はいますか?どのエリアの方が多いですか?
- 在宅利用者は現在何名いますか?全体の何%程度ですか?
- チャットでの質問には、平均どのくらいで返信がありますか?
- 孤立感を防ぐための具体的な取り組みはありますか?(朝会、雑談チャンネル、バーチャルオフィスなど)
- 在宅訓練からの就職実績(特にリモート求人)を教えてください
- PCの貸与はありますか?返却条件は?
- ソフトウェア(Office、Adobe等)のライセンスは提供されますか?
- 体験利用は無料ですか?回数や期間の制限はありますか?
在宅訓練を成功させる4つの自己管理術
良い事業所を見つけたら、次は日々の訓練を成功させる「自己管理」が重要です。在宅勤務で最も求められるスキルでもあるので、訓練期間中に身につけましょう。
環境を制する|集中できる物理的空間の作り方
訓練専用スペースの確保(寝室とは別の場所が理想。難しい場合はパーテーションやカーテンで区切りを作る)。ポモドーロ・テクニック(25分集中+5分休憩)でタイマーを設定し、休憩時間は必ず席を立つ。ゲームや漫画など気が散るものを視界から排除。スマホは訓練中は別の部屋に置くか通知オフ。
時間を制する|タスク管理とスケジュールの立て方
Trello、Notion、GoogleカレンダーでTO DOリストを作成し、「今日やること」「今週やること」を明確に分ける。朝会での目標宣言と終礼での達成度報告で、適度なプレッシャーを活用する。金曜の終礼後に「うまくいったこと」「改善点」を5分間振り返り、翌週の目標を立てる習慣をつける。
コミュニケーションを制する|テキストでの報・連・相
結論ファーストの文章:「相談があります」ではなく「○○について、AかBかで迷っています。私はAが良いと思いますが、どうでしょうか?」。質問の具体化:「わからないです」ではなく「HTML課題の3番目で、背景色が反映されません。CSSファイルは添付の通りです。どこが間違っていますか?」。感謝は何に対してかを具体的に。
孤独を制する|意識的な雑談と相談の習慣
雑談チャンネルで「今日のお昼は○○でした」など何気ない投稿を。他の人の投稿には絵文字でリアクション。週1回の面談を待たず、「ちょっとした疑問」もすぐにチャットで相談。同期との定期的な情報交換や、就職活動の情報共有で仲間意識を育む。
在宅訓練から在宅就職への橋渡し
在宅勤務スキルを棚卸しする
在宅訓練で身につけたスキルは、就職活動で大きな武器になります。履歴書・職務経歴書には以下のように記載しましょう。
💻 ITスキル
Zoom、Slack、Microsoft Teams、Google Workspaceを日常的に使用 / メタライフでの協働作業経験 / Trello、Notionでのタスク管理経験 / ノウビーでの勤怠・進捗管理経験
📋 自己管理能力
在宅環境で6ヶ月間、自律的にスケジュール管理を行い、月20日の訓練を完遂(出席率90%以上)/ ポモドーロ・テクニックを活用した集中力管理 / 日報での訓練内容・体調記録を継続
💬 リモートコミュニケーション
テキストベースでの報告・連絡・相談の実践 / オンライン会議でのファシリテーション経験 / 営業時間内1時間以内の返信対応を維持
段階的な職場適応戦略
在宅訓練の経験があるからといって、いきなり完全リモートで就職する必要はありません。段階的な移行が成功の鍵です。
可能なら週1〜2日は事業所に通所し、対面でのコミュニケーションにも慣れる。ハイブリッド型に移行して、両方の良さを経験。
出社メインで職場の文化や人間関係を把握。リモートワークは週1〜2日から開始し、上司・同僚との信頼関係を構築。
業務に慣れたら、上司と相談してリモート日数を段階的に増加。週3在宅・週2出社などの柔軟な働き方を実現。
完全リモート、またはほぼリモート(月1出社など)。パフォーマンスを維持しながら、希望する働き方を実現。
重要なのは、「在宅訓練の経験があるから完全リモートで」ではなく、段階的な移行で信頼関係を構築すること。焦らず、着実にステップアップしましょう。
費用の詳細|在宅訓練でかかるお金
| 費用項目 | 一般的な金額 | 補助・支援 |
|---|---|---|
| サービス利用料 | 0円〜9,300円/月 | 国の制度で上限あり。低所得・非課税世帯は0円 |
| PC・タブレット | 無料貸与が多い | 事業所負担。返却条件・故障時の対応を確認 |
| ソフトウェア | 無料提供が多い | Office、Adobe等のライセンス。基本的に事業所負担 |
| 通信費(Wi-Fi等) | 3,000円〜7,000円/月 | 基本的に自己負担(推奨:下り30Mbps以上) |
| スタッフ訪問交通費 | 事業所により異なる | 全額 or 一部事業所負担。遠方の場合の対応を事前確認 |
| 周辺機器(マイク等) | 事業所により異なる | 貸出・補助・全額負担など。原則自己負担だが支援あり |
コスト比較:通所型 vs 在宅訓練型(月額概算)
通所型の場合
サービス利用料:0〜9,300円
交通費:10,000〜20,000円(毎日通所)
昼食代:15,000〜20,000円
合計:25,000〜49,300円
在宅訓練型の場合
サービス利用料:0〜9,300円(多くの方は0円)
通信費:5,000円
訪問交通費:0〜5,000円(事業所負担の場合は0円)
合計:5,000〜19,300円
在宅訓練の方が、トータルコストは安くなる傾向があります。特に交通費がかからない点が大きいです。費用の詳細はこちらでも解説しています。
よくある質問(FAQ)
トラブル事例と対策|失敗から学ぶ成功の秘訣
⚠️ サボり癖がついて、訓練に参加しなくなった
対策:週単位・月単位の具体的な目標設定(「ポートフォリオサイトを3つ完成させる」など)。朝会で毎日の目標を宣言。Trelloなどで進捗を可視化。「なぜ在宅訓練を選んだのか」「どんな働き方を実現したいのか」を常に意識し、デスクに付箋で貼っておくのも効果的です。
⚠️ 質問しづらくて、わからないことが積み重なった
対策:「小さな質問歓迎」の文化がある事業所を選ぶ(見学時にチャット返信時間を確認)。質問テンプレートを活用:「○○の△△で困っています。□□を試しましたがうまくいきません」。「1日1質問」を目標に習慣をつける。
⚠️ 家族の理解が得られず、集中できない
対策:家族への事前説明(訓練スケジュール、重要性を共有)。パーテーションで物理的に区切る。「訓練中」の表示を明確に(ドアに札をかけるなど)。事業所からの説明資料を家族にも共有。
⚠️ 技術的なトラブルで訓練が中断される
対策:事前の環境チェック(回線速度テスト、使用機器のテスト)。バックアップ手段の確保(モバイル回線、スマホからの参加)。トラブル時の連絡手順を明確化(Slackが使えない時は電話、など)。
まとめ:在宅訓練は、働き方の選択肢を広げる制度です
在宅訓練は、単に「通わなくていい」という選択肢ではありません。
- 対人不安や通所困難があっても、就労支援を受けられる
- 地方在住でも、都市部の専門事業所を選べる
- リモートワーカーとして活躍するための実践的訓練の場
成功への4つのアドバイス:
- 完璧を求めすぎない:最初は慣れないことだらけ。小さな改善を積み重ねることが大切
- 積極的にコミュニケーションを取る:遠慮は禁物。わからないことは即座に質問
- 将来の目標を明確に:「なぜ在宅訓練を選ぶのか」「どんな働き方を実現したいのか」を常に意識
- 柔軟性を保つ:在宅だけにこだわらず、通所との組み合わせ(ハイブリッド型)も検討
次のステップ
学びたいスキルと事業所をリストアップする
「就労移行支援 IT ◯◯」などで検索し、在宅訓練対応の事業所を2〜3カ所ピックアップしましょう。事業所の選び方ガイドも参考にしてください。
自治体に事前相談する
市区町村の障害福祉課に「在宅訓練を希望している」「他地域の事業所を利用したい」と相談してみましょう。
受給者証の取得手続きを進める
受給者証の申請方法を確認し、専門家と安心して申請しましょう。
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在宅訓練にかかる通信費・PC貸与など費用の全体像を通所型と比較して解説しています。
在宅訓練の利用料が0円になる条件と、月額シミュレーションを確認できます。
在宅訓練からリモート就職した後に利用できる定着支援の仕組みを解説しています。
この記事の監修者
市原 早映(いちはら さえ)
2017年より就労移行支援・定着支援の現場で支援に従事。就労移行の立ち上げにも携わり、現在は定着支援に従事しながら就労移行支援もサポートしています。

