この記事は、サービス管理責任者の市原 早映が監修しています。
「受給者証の手続き、一人でできるか不安…」
「書類が多すぎて、何から始めればいいか分からない」
「どのくらいの期間がかかるの?いつから通所できるの?」
就労移行支援を利用するために必要な「受給者証」。手続きが複雑に見えて、一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
でも、ご安心ください。この手続きには、あなたの伴走者となって無料でサポートしてくれる「相談支援専門員」という専門家がいます。
この記事では、受給者証の取り方を、10の悩み別に徹底解説します。読み終わる頃には、「これなら自分にもできる」という自信が生まれているはずです。
特に重要なのは、最初にやるべきたった一つのこと「相談支援専門員を見つける」です。これさえできれば、あとは専門家が手続きの大部分をリードしてくれます。
📖 この記事で分かること
- 受給者証取得の全体像が3分で分かる
- 相談支援専門員の探し方と最初の連絡方法
- 申請から交付までの6ステップを専門家と進める具体的な流れ
- 必要書類の準備方法と取得のコツ
- 期間の目安とスケジュール|早く進める3つのポイント
- 費用と自己負担額|ほとんどの方が実質0円の理由
- よくある疑問10選|障害者手帳は必須?事業所は先に決める?
「とにかく手順だけ知りたい」という方は、この後の**【申請から交付までの6ステップ】**から読んでみてください。
まず結論:受給者証取得の3つの重要ポイント
受給者証取得で押さえるべき3つのこと
1. 最初にやるべきは「相談支援専門員を見つける」こと
- 手続きの大部分を無料でサポートしてくれる専門家
- 市区町村の障害福祉課で紹介してもらえる
- 書類作成、スケジュール管理、役所との調整を代行
2. 期間の目安は「約2週間〜2か月」
- 早い自治体:2週間程度
- 標準的:1か月程度
- 遅い自治体:2か月程度
- ※自治体の運用と書類準備状況により前後します
3. ほとんどの方が実質0円で利用できる
- 原則1割負担だが、負担上限月額の適用で0円〜低額
- 生活保護・市町村民税非課税世帯は0円
- 一般世帯でも月額上限9,300円(ただし多くの方が0円)
選ぶ基準|こんな悩みがあるなら、すぐに相談支援専門員を探しましょう
- 「手続きが複雑で、一人では進められない」 → 専門家が全サポート
- 「障害者手帳がないけど利用できる?」 → 手帳なしでも申請可能(医師の意見書で判断)
- 「在宅訓練を希望している」 → 事業所選びから計画作成まで専門家が対応
受給者証とは|基本を理解する
受給者証の正式名称と役割
受給者証の正式名称は「障害福祉サービス受給者証」です。就労移行支援などの障害福祉サービスを利用するために、市区町村が発行する証明書です。
受給者証があればできること:
- 就労移行支援事業所と正式な利用契約を結べる
- サービス利用料の自己負担上限が適用される(0円〜9,300円/月)
- 原則2年間の訓練期間が保障される
受給者証がないと、事業所のサービスを正式に利用できません。ただし、受給者証の申請中や交付前でも、多くの事業所で見学や体験は可能です。
障害者手帳との違い
多くの方が混同しますが、受給者証と障害者手帳は別物です。
障害者手帳:
- 障害があることを証明する手帳
- 税金の控除、公共交通機関の割引などに使える
- 取得には数か月かかる場合がある
受給者証:
- 障害福祉サービスを利用するための証明書
- 手帳がなくても取得可能(医師の意見書などで判断)
- 手帳より早く取得できることが多い
**重要:障害者手帳がなくても、受給者証は取得できます。**医師の意見書や診断書で、サービスの必要性が認められれば発行されます。実際に、手帳を持たずに受給者証だけで就労移行支援を利用している方は多数います。
【実務者の視点|市原早映】
「『障害者手帳がないと就労移行支援は使えない』と誤解されている方が多いですが、実際は手帳なしでも利用可能です。精神科や心療内科の診断書があれば、多くの自治体で受給者証が発行されます。まずは相談支援専門員に相談してみましょう。」
STEP 0:【最重要】まず、あなたの伴走者を見つけよう
本格的な手続きを始める前に、あなたの「相談支援専門員」を探すことからスタートしましょう。これが、手続きを成功させるための最も重要で、最初の一歩です。
相談支援専門員とは?
相談支援専門員の3つの役割:
- あなたの状況や希望を聞き取り、最適なサービスの利用計画(案)を作成
- 市区町村への申請手続きの多くをサポート
- 利用開始後も定期的にモニタリングし、計画を見直し
費用は完全無料です。これは国の制度で、利用者の自己負担はありません。相談支援専門員は「計画相談支援事業所」に所属しており、その報酬は市区町村が支払います。
つまり、あなたは一円も払わずに、申請から利用開始、その後のサポートまで、専門家の力を借りられるのです。
相談支援専門員の探し方|3つの方法
方法1:市区町村の障害福祉課で紹介してもらう(最も確実)
お住まいの市区町村の「障害福祉課」「福祉事務所」の窓口に行き、「就労移行支援の利用を検討していて、相談支援専門員を紹介してほしい」と伝えましょう。窓口で地域の計画相談支援事業所のリストをもらえます。
実際の流れ:
- 窓口で「就労移行支援の受給者証を申請したい」と伝える
- 担当者が「計画相談支援事業所」のリストを渡してくれる
- リストの中から、自宅に近い事業所や、評判の良い事業所を選ぶ
- 窓口で「この事業所に連絡したい」と伝えれば、その場で予約を取ってくれることもある
東京都世田谷区のAさん(30代、うつ病)は、区役所の窓口で相談したところ、その場で近隣の計画相談支援事業所3つを紹介され、担当者が1つ目の事業所に電話で初回面談の予約を取ってくれました。「自分で電話するのが不安だったので、とても助かった」とのこと。
方法2:インターネットで検索する
「○○市 計画相談支援事業所」「○○市 指定特定相談支援事業所」と検索すれば、地域の一覧が見つかります。自治体のホームページに事業所リストが掲載されていることも多いです。
検索のコツ:
- 「就労移行支援に強い」と明記している事業所を選ぶ
- 口コミや実績を確認する
- 複数の事業所に問い合わせて、対応の良いところを選ぶ
方法3:就労移行支援事業所に相談する
すでに通いたい事業所が決まっている場合、その事業所に「相談支援専門員を紹介してほしい」と伝えれば、連携している計画相談支援事業所を紹介してくれます。
大阪府のBさん(20代、発達障害)は、見学した就労移行支援事業所のスタッフに相談したところ、「うちと連携している相談支援事業所がありますよ」と紹介され、スムーズに初回面談の予約が取れました。
最初の連絡で何を話す?
相談支援専門員に最初に連絡するとき、以下を簡単に伝えましょう。完璧な説明は不要です。
伝えるべき5つのこと:
- 現在の体調(「うつ病で通院中」「発達障害の診断あり」など)
- 通院状況(「月1回心療内科に通っている」など)
- 通所できる日数・時間の見込み(「週3日・4時間くらいなら」など)
- 就労の目標(「一般企業で事務職をしたい」「在宅ワークを目指したい」など)
- 受給者証の申請を検討していること
電話での会話例:
あなた:「はじめまして。就労移行支援の利用を考えていて、受給者証の申請をサポートしていただきたいのですが」
専門員:「承知しました。現在の状況を教えていただけますか?」
あなた:「うつ病で通院中です。月1回心療内科に通っています。週3日くらいなら通所できそうです。最終的には一般企業で働きたいと思っています」
専門員:「分かりました。それでは初回面談の日程を決めましょう。ご都合の良い日はありますか?」
これだけで大丈夫です。詳しい話は初回面談で聞いてくれます。
【実務者の視点|市原早映】
「初回の連絡では、完璧に説明しようとしなくて大丈夫です。『就労移行支援を使いたい』『受給者証を取りたい』という意思だけ伝えれば、あとは専門員が質問しながら状況を聞き出してくれます。むしろ、最初から全部話そうとすると疲れてしまうので、簡単な挨拶程度で十分です。」
申請から交付までの6ステップ|専門家と進める具体的な流れ
あなたの伴走者(相談支援専門員)が見つかったら、ここからが本番です。専門家と二人三脚で、以下の6ステップを進めていきましょう。
各ステップで「あなたがやること」と「専門家がやること」を明確にしたので、役割分担が一目で分かります。
STEP 1:初回面談と計画の相談
実施内容:
相談支援専門員があなたの自宅や事業所、または相談室で初回面談を行います。ここで、あなたのこれまでの経緯、現在の状況、将来の希望を詳しく聞き取ります。
あなたがやること:
- これまでの経緯や将来の希望を正直に話す
- 通院状況、服薬状況を伝える
- 通所できる日数・時間の見込みを伝える
- 学びたいスキルや希望する働き方(在宅ワークなど)を伝える
専門家がやること:
- あなたに合ったサービス(就労移行支援、就労継続支援A型・B型など)を提案
- 利用計画(案)の骨子を作成開始
- 次のステップ(事業所見学)の段取りを説明
期間: 即日〜1週間程度(面談の予約が取れるまで)
ポイント:
面談は1時間〜1時間半程度です。緊張する必要はありません。専門員は質問しながら、あなたの状況を丁寧に聞き出してくれます。
この段階で、「就労移行支援が合っているか」「他のサービス(A型・B型)の方が良いか」も専門家が判断してくれます。もし「まずはB型から」と提案されても、それはあなたの状況を考えた上でのアドバイスなので、素直に聞いてみましょう。
北海道のCさん(40代、精神障害)は、初回面談で「週5日通所は難しい」と伝えたところ、専門員から「最初は週2日・2時間からスタートできる事業所もありますよ」と提案され、無理のないスタートができました。
STEP 2:事業所の見学・体験
実施内容:
専門員が紹介してくれた事業所、または自分で見つけた事業所を見学・体験します。受給者証がなくても見学・体験は可能です。
あなたがやること:
- 気になる事業所を見学・体験する
- 事業所の雰囲気、カリキュラム、スタッフの対応を確認
- 見学後、感想や希望を専門員に伝える
- 複数の事業所を比較検討する
専門家がやること:
- おすすめの事業所をリストアップして紹介
- 見学の予約を代行してくれることもある
- あなたの感想を基に、利用計画(案)をより具体化
- 見学で確認すべきポイントをアドバイス
期間: 1週間〜1か月程度(見学する事業所の数による)
ポイント:
焦らず、複数の事業所を見学しましょう。最低でも2〜3か所は見学することをおすすめします。見学時に確認すべきポイントは以下の通りです。
見学時の確認ポイント:
- 通所日数・時間の柔軟性(週3日・4時間からでもOKか)
- 在宅訓練の可否と回数(完全在宅、週3在宅・週2通所など)
- 学べるスキル(ビジネスマナー、PC操作、専門スキルなど)
- 就職実績(特にリモート求人の実績)
- スタッフの対応(質問に丁寧に答えてくれるか)
- 他の利用者の雰囲気(自分に合いそうか)
見学後、専門員に「○○事業所は在宅訓練が充実していて良かった」「△△事業所はスタッフが丁寧だった」など、率直な感想を伝えましょう。専門員はその感想を基に、あなたに最適な事業所を一緒に選んでくれます。
神奈川県のDさん(30代、社交不安障害)は、3つの事業所を見学し、「1つ目は雰囲気が合わなかった。2つ目は在宅訓練が少なかった。3つ目は在宅訓練が充実していて、スタッフも優しかった」と専門員に報告。専門員が3つ目の事業所を前提に利用計画(案)を作成してくれました。
STEP 3:必要書類の準備
実施内容:
専門員から「これらの書類を準備してください」というリストをもらい、書類を集めます。
あなたがやること:
- 医師の意見書(または診断書)を主治医に依頼
- 本人確認書類(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードなど)を準備
- 障害者手帳(持っている場合)のコピーを準備
- 申請書に署名・捺印
専門家がやること:
- 必要な書類リストを提示
- 申請書の記入方法をサポート
- 医師の意見書の様式を用意し、医療機関への依頼方法をアドバイス
- 「サービス等利用計画(案)」を作成(これが最も重要な書類)
期間: 1週間〜1か月程度(医師の意見書取得にかかる時間による)
ポイント:
**最も時間がかかるのは「医師の意見書」の取得です。**早めに主治医の受診予約を取りましょう。
医師の意見書には、以下の内容を書いてもらうとスムーズです:
- 診断名(うつ病、発達障害など)
- 就労に関する配慮事項(通勤時間の制限、長時間作業の可否、対人関係の配慮など)
- 現在の通院頻度と今後の見通し
- 服薬状況
専門員が医師の意見書の様式を用意してくれるので、それを持って受診しましょう。事前に医療機関に様式を送付しておくと、受診当日にスムーズに受け取れます。
愛知県のEさん(20代、発達障害)は、専門員から「医師に『就労移行支援を利用したいので意見書をお願いします』と伝えてください。様式はこちらで用意します」とアドバイスを受け、受診日の1週間前に医療機関に様式を送付。受診当日にその場で意見書を受け取れました。
【実務者の視点|市原早映】
「医師の意見書の取得が最大のネックになることが多いです。普段の受診予約が1か月先という場合、『受給者証の申請で意見書が必要』と伝えれば、受診日を前倒ししてくれる医療機関もあります。まずは医療機関に相談してみましょう。また、様式を事前に送付しておくと、当日すぐに受け取れることが多いです。」
STEP 4:計画(案)の完成と申請
実施内容:
専門員が作成した「サービス等利用計画(案)」の内容を確認し、市区町村に申請書を提出します。
あなたがやること:
- 完成した利用計画(案)の内容を確認
- 申請書に署名・捺印
- 専門員と一緒に市区町村の窓口に行く(専門員が代行してくれることもある)
専門家がやること:
- 「サービス等利用計画(案)」を完成させる
- 申請書と計画(案)を市区町村に提出
- 窓口での説明や補足を代行
期間: 即日〜1週間程度
ポイント:
「サービス等利用計画(案)」は、あなたがどの事業所で、週何日、どんな訓練を受けるかを記載した書類です。これは専門員が作成してくれるので、あなたは内容を確認するだけでOKです。
計画(案)の内容に疑問があれば、遠慮なく専門員に質問しましょう。「週3日と書いてあるけど、最初は週2日からスタートしたい」「在宅訓練の日数をもっと増やしたい」など、希望があれば修正してもらえます。
福岡県のFさん(30代、うつ病)は、計画(案)に「週5日通所」と書かれていたため、「最初は週3日からスタートしたい」と専門員に伝えたところ、すぐに修正してくれました。「自分の希望を言っていいんだと分かって安心した」とのこと。
STEP 5:認定調査・審査
実施内容:
市区町村の担当者が、あなたの状況を確認するためにヒアリング(認定調査)を行います。自宅訪問または窓口での面談形式です。
あなたがやること:
- 市区町村の担当者からのヒアリングに対応
- 現在の状況、希望するサービス内容を説明
- 専門員が同席してくれることが多いので、緊張しなくてOK
専門家がやること:
- 認定調査に同席し、状況を補足説明
- 審査がスムーズに進むよう、市区町村とやり取り
期間: 1週間〜2週間程度(自治体による)
ポイント:
認定調査は、サービスの必要性を判断するための面談です。難しい質問はありません。普段の生活や、就労に向けた課題、事業所でどんな訓練を受けたいかなどを聞かれます。
よく聞かれる質問:
- 現在の体調はどうですか?
- 通院はどのくらいの頻度ですか?
- 一日どのくらいの時間、活動できますか?
- 将来、どんな働き方を希望していますか?
- 事業所にはどのくらいの頻度で通えそうですか?
専門員が同席してくれるので、うまく説明できなくても大丈夫です。専門員が補足してくれます。
埼玉県のGさん(40代、身体障害)は、認定調査で「通勤に片道1時間以上かかると体力的に厳しい」と伝えたところ、担当者から「在宅訓練を中心にするのはどうですか?」と提案され、在宅訓練が認められました。専門員が「Gさんは在宅訓練が適していると思います」と補足してくれたことも大きかったそうです。
STEP 6:交付・利用開始
実施内容:
審査が通れば、自宅に受給者証が郵送されます。受給者証を事業所に提示し、正式な利用契約を結んで、訓練開始です!
あなたがやること:
- 自宅に届いた受給者証を確認
- 事業所に受給者証を提示し、利用契約を締結
- 訓練開始!
専門家がやること:
- 受給者証の内容を確認し、不備がないかチェック
- 事業所との契約手続きをサポート
- 利用開始後も、定期的なモニタリング(月1回程度)でサポート継続
期間: 審査から交付まで1週間〜2週間程度(自治体による)
ポイント:
受給者証には、以下の内容が記載されています:
- サービスの種類(就労移行支援)
- 利用期間(開始日と終了日)
- 月の利用日数上限
- 負担上限月額
内容に疑問があれば、専門員または市区町村の窓口に確認しましょう。
受給者証が届いたら、すぐに事業所に連絡しましょう。事業所との契約手続きは、専門員がサポートしてくれます。
千葉県のHさん(20代、精神障害)は、申請から約3週間で受給者証が届きました。「思ったより早くて驚いた。専門員が全部段取りしてくれたので、自分は言われたことをやるだけで済んだ」とのこと。
初回面談と計画の相談
相談支援専門員があなたの自宅や事業所、または相談室で初回面談を行います。これまでの経緯、現在の状況、将来の希望を詳しく聞き取ります。
- これまでの経緯や将来の希望を正直に話す
- 通院状況、服薬状況を伝える
- 通所できる日数・時間の見込みを伝える
- 学びたいスキルや希望する働き方を伝える
- あなたに合ったサービスを提案
- 利用計画(案)の骨子を作成開始
- 次のステップの段取りを説明
事業所の見学・体験
専門員が紹介してくれた事業所、または自分で見つけた事業所を見学・体験します。受給者証がなくても見学・体験は可能です。
- 気になる事業所を見学・体験する
- 雰囲気、カリキュラム、スタッフ対応を確認
- 見学後、感想や希望を専門員に伝える
- 複数の事業所を比較検討する
- おすすめの事業所をリストアップ
- 見学の予約を代行してくれることも
- 感想を基に計画(案)を具体化
- 確認すべきポイントをアドバイス
必要書類の準備
専門員から書類リストをもらい、書類を集めます。最も時間がかかるのは医師の意見書です。
- 医師の意見書を主治医に依頼
- 本人確認書類を準備
- 障害者手帳のコピー(持っている場合)
- 申請書に署名・捺印
- 必要な書類リストを提示
- 申請書の記入方法をサポート
- 医師の意見書の様式を用意
- サービス等利用計画(案)を作成
計画(案)の完成と申請
専門員が作成した「サービス等利用計画(案)」の内容を確認し、市区町村に申請書を提出します。
- 完成した利用計画(案)を確認
- 申請書に署名・捺印
- 専門員と一緒に窓口に行く
- サービス等利用計画(案)を完成
- 申請書と計画(案)を市区町村に提出
- 窓口での説明や補足を代行
認定調査・審査
市区町村の担当者が、あなたの状況を確認するためにヒアリング(認定調査)を行います。
- 市区町村担当者のヒアリングに対応
- 現在の状況、希望を説明
- 専門員が同席してくれるので安心
- 認定調査に同席
- 状況を補足説明
- 審査がスムーズに進むよう調整
交付・利用開始
審査が通れば、自宅に受給者証が郵送されます。事業所に提示して、正式な利用契約を結び、訓練開始です!
- 届いた受給者証を確認
- 事業所に受給者証を提示
- 利用契約を締結
- 訓練開始!
- 受給者証の内容を確認
- 事業所との契約手続きをサポート
- 利用開始後も定期モニタリング
準備する書類|完全ガイド
STEP 3で専門家から「これらの書類を準備してください」と渡されるリストがこちらです。一緒に準備を進めるので、安心してください。
書類1:障害福祉サービス 訓練等給付費支給申請書
誰が用意: 本人(専門家がサポート)
内容:
市区町村が指定する様式の申請書です。就労移行支援の利用希望を明記します。
準備方法:
市区町村の障害福祉課の窓口でもらうか、自治体のホームページからダウンロードできます。専門員が記入方法をサポートしてくれるので、自分で全部書く必要はありません。
記入内容:
- 氏名、住所、生年月日、連絡先
- 希望するサービスの種類(就労移行支援)
- 希望する事業所名(見学後に決定)
- 利用開始希望日
注意点:
申請書の様式は自治体ごとに異なります。必ず自分の住んでいる市区町村の様式を使いましょう。専門員が様式を用意してくれることもあります。
書類2:医師の意見書(または診断書)
誰が用意: 主治医
内容:
就労に関する配慮や課題が分かる意見書です。審査をスムーズに進めるために重要な書類です。
準備方法:
主治医(精神科、心療内科、内科など)に「就労移行支援の利用を検討しているので、意見書をお願いします」と伝えます。専門員が用意してくれた様式を医療機関に提出します。
記入内容(医師が書く内容):
- 診断名(うつ病、発達障害、統合失調症など)
- 現在の症状と経過
- 就労に関する配慮事項(通勤時間の制限、長時間作業の可否、対人関係の配慮など)
- 通院頻度と今後の見通し
- 服薬状況
注意点:
医師の意見書の取得には時間がかかることがあります(1週間〜1か月)。早めに受診予約を取りましょう。様式を事前に医療機関に送付しておくと、受診当日にスムーズに受け取れます。
費用: 医療機関により異なりますが、3,000円〜5,000円程度が目安です。保険適用外なので全額自己負担です。
静岡県のIさん(30代、双極性障害)は、普段の受診予約が1か月先だったため、「受給者証の申請で意見書が必要」と医療機関に伝えたところ、「それなら早めに予約を取りましょう」と言ってくれて、2週間後に受診できました。意見書も当日受け取れたそうです。
書類3:サービス等利用計画(案)
誰が用意: 相談支援専門員(あなたは確認するだけ)
内容:
これは専門家が作成してくれる最も重要な書類です。あなたは面談で希望や状況を伝えるだけでOKです。
記入内容(専門員が書く内容):
- 利用するサービスの種類(就労移行支援)
- 利用する事業所名
- 週何日、何時間利用するか
- どんな訓練を受けるか(ビジネスマナー、PC操作、専門スキルなど)
- 短期目標(3〜6か月)と長期目標(1〜2年)
- 本人の希望する働き方(一般企業、在宅ワークなど)
注意点:
計画(案)の内容は、専門員があなたの希望を聞き取って作成します。内容に疑問があれば、遠慮なく質問しましょう。「週5日は難しいので週3日に変更してほしい」「在宅訓練の日数を増やしてほしい」など、修正は可能です。
書類4:本人確認書類・個人番号・所得関係書類
誰が用意: 本人
内容:
あなた自身を証明する書類と、負担上限額を決定するための所得関係書類です。
必要な書類:
- 本人確認書類: 運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードなど(いずれか1つ)
- 個人番号(マイナンバー): マイナンバーカード、通知カード、マイナンバーが記載された住民票など
- 所得・課税状況の確認書類: 課税証明書、非課税証明書など
注意点:
マイナンバーがあれば、役所側で所得確認をしてくれることが多いです。その場合、課税証明書などの追加書類は不要になることもあります。自治体により運用が異なるため、専門員または窓口で確認しましょう。
書類5:障害者手帳(該当者のみ)
誰が用意: 本人
内容:
身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳のいずれかを持っている場合、コピーを提出します。
注意点:
障害者手帳がない場合でも申請可能な自治体がほとんどです。医師の意見書や診断書で、サービスの必要性が認められれば受給者証は発行されます。手帳の有無は専門員が確認してくれるので、心配不要です。
広島県のJさん(20代、ADHD)は、障害者手帳を持っていませんでしたが、心療内科の診断書で受給者証を取得できました。「手帳がないと無理だと思っていたけど、専門員が『診断書で大丈夫ですよ』と教えてくれて安心した」とのこと。
書類準備チェックリスト
期間とスケジュール|早く進める3つのコツ
申請から交付までの期間の目安
トータル期間:約2週間〜2か月
この期間は、自治体の運用と書類準備状況により大きく前後します。
内訳:
- STEP 1(初回面談):即日〜1週間
- STEP 2(見学・体験):1週間〜1か月
- STEP 3(書類準備):1週間〜1か月(医師の意見書取得にかかる時間)
- STEP 4(申請):即日〜1週間
- STEP 5(認定調査・審査):1週間〜2週間
- STEP 6(交付):1週間〜2週間
自治体による差:
- 早い自治体: 2週間〜1か月程度(東京都の一部の区など)
- 標準的: 1か月〜1か月半程度(多くの市区町村)
- 遅い自治体: 2か月程度(審査が慎重な自治体、人員不足の自治体)
※これらは複数の事業所データに基づく推定値であり、自治体により異なります。
早く進める3つのコツ
コツ1:医師の意見書の予約を最優先で取る
手続き全体で最も時間がかかるのは、医師の意見書の取得です。相談支援専門員との初回面談が終わったら、すぐに主治医の受診予約を取りましょう。
具体的な行動:
- 初回面談の翌日には医療機関に連絡
- 「受給者証の申請で意見書が必要」と伝える
- 様式を事前に医療機関に送付(専門員が用意してくれる)
- 普段の受診予約が先でも、前倒しできないか相談
長野県のKさん(30代、うつ病)は、初回面談の翌日に医療機関に連絡し、「受給者証の申請で意見書が必要なので、早めに受診したい」と伝えたところ、通常1か月先の予約を2週間後に前倒ししてくれました。意見書も当日受け取れたため、申請がスムーズに進みました。
コツ2:見学・体験と書類準備を並行する
見学・体験を全部終えてから書類準備を始めると、時間がかかります。見学・体験と並行して、医師の意見書や本人確認書類の準備を進めましょう。
並行スケジュールの例:
【1週目】
- 月曜:相談支援専門員と初回面談
- 火曜:医療機関に受診予約の電話
- 水曜:1つ目の事業所を見学
【2週目】
- 月曜:2つ目の事業所を見学
- 水曜:主治医の受診、意見書取得
- 金曜:3つ目の事業所を見学
【3週目】
- 月曜:専門員と利用計画(案)の内容確認
- 水曜:申請書提出
このように、見学と書類準備を並行すれば、トータル期間を短縮できます。
コツ3:暫定支給を活用する
自治体によっては、受給者証の交付前に「暫定支給」を認めてくれる場合があります。暫定支給が認められれば、審査中でも事業所の訓練を開始できます。
暫定支給の条件:
- 申請書が受理されていること
- 事業所が決まっていること
- 審査に時間がかかる見込みがあること
暫定支給の有無は自治体により異なります。専門員または窓口で「暫定支給は可能ですか?」と確認しましょう。
山梨県のLさん(40代、身体障害)は、申請から交付まで2か月かかる見込みだったため、専門員が窓口で「暫定支給をお願いします」と交渉してくれました。申請から2週間後に暫定支給が認められ、訓練を開始できました。
【実務者の視点|市原早映】
「スピードを上げたいなら、医師の意見書の取得を最優先にしてください。これさえ早く取れれば、他の書類はすぐに揃います。また、見学・体験は受給者証がなくてもできるので、申請前に全部済ませておくとスムーズです。暫定支給については、自治体により対応が異なるため、まずは専門員に相談しましょう。」
費用|自己負担はいくら?
原則1割負担だが、負担上限月額で実質0円〜低額に
就労移行支援のサービス利用料は、原則として費用の1割を自己負担します。ただし、「負担上限月額」の制度により、ほとんどの方が実質0円〜低額で利用できます。
負担上限月額とは:
所得に応じて、1か月に支払う上限額が決まっている制度です。どれだけサービスを利用しても、この上限額を超えて支払うことはありません。
| 所得区分 | 負担上限月額 | 対象者 |
|---|---|---|
| 生活保護 | 0円 | 生活保護受給世帯 |
| 低所得 | 0円 | 市町村民税非課税世帯(概ね年収300万円以下) |
| 一般1 | 9,300円 | 市町村民税課税世帯(概ね年収600万円以下) |
| 一般2 | 37,200円 | 上記以外(概ね年収600万円超) |
※「世帯」の範囲は自治体により異なります(18歳以上は本人のみの場合が多い)
※多くの方が「生活保護」または「低所得」に該当し、自己負担0円で利用しています
実質的な負担:
多くの方が「生活保護」または「低所得」の区分に該当し、自己負担0円で利用しています。「一般1」の区分でも、月額上限9,300円なので、週5日通所しても9,300円を超えることはありません。
具体例:
- Mさん(20代、一人暮らし、アルバイト収入年100万円)→ 市町村民税非課税 → 自己負担0円
- Nさん(30代、実家暮らし、無収入、親の年収500万円)→ 一般1 → 自己負担9,300円/月
- Oさん(40代、配偶者あり、世帯年収700万円)→ 一般2 → 自己負担37,200円/月
※所得区分の判定は自治体により異なります。詳細は窓口で確認してください。
その他の費用
交通費:
事業所への交通費は原則自己負担ですが、一部の事業所では交通費の補助制度があります。見学時に確認しましょう。
昼食代:
事業所で昼食を提供している場合、別途昼食代がかかることがあります(300円〜500円程度)。事業所により異なります。
教材費・資格受験料:
専門スキルを学ぶ事業所では、教材費や資格受験料が別途かかる場合があります。事業所により無料のところもあれば、一部自己負担のところもあります。見学時に確認しましょう。
医師の意見書作成費用:
医師の意見書の作成には、3,000円〜5,000円程度の費用がかかります(保険適用外)。これは受給者証申請時の一時的な費用です。
よくある疑問(FAQ)|10の悩みを解決
Q1:受給者証がなくても見学はできますか?
A:できます。
多くの事業所で、受給者証の交付前でも見学・体験に対応しています。むしろ、受給者証を申請する前に見学・体験をして、自分に合った事業所を見つけることをおすすめします。
見学・体験の流れ:
- 事業所に電話またはメールで「見学したい」と連絡
- 見学日を予約
- 当日、事業所を訪問(受給者証は不要)
- 説明を聞き、施設を見学、可能なら体験利用
- 感想を相談支援専門員に伝える
体験利用の内容は、申請書やサービス等利用計画(案)に反映しましょう。「○○事業所で体験利用をし、自分に合っていると感じた」と記載すると、審査がスムーズに進みます。
Q2:事業所は申請の前と後、どちらで決めますか?
A:申請の前に決めるケースが多いです。
自治体の運用によりますが、多くの場合、事業所を決めてから申請します。理由は以下の通りです:
- サービス等利用計画(案)に事業所名を記載する必要がある
- どの事業所で、どんな訓練を受けるかを明確にした方が審査がスムーズ
- 事業所が決まっていないと、利用日数や訓練内容が曖昧になる
推奨の流れ:
- 相談支援専門員と初回面談
- 事業所を見学・体験
- 事業所を決定
- サービス等利用計画(案)に事業所名を記載
- 申請
ただし、一部の自治体では「事業所未定」でも申請可能な場合があります。専門員または窓口で確認しましょう。
Q3:自己負担はいくらですか?
A:多くの世帯で実質0円〜低額です。
原則1割負担ですが、「負担上限月額」の適用により、多くの世帯で0円〜低額になります。
- 生活保護受給世帯: 0円
- 市町村民税非課税世帯: 0円
- 市町村民税課税世帯(概ね600万円以下): 月額9,300円
- 上記以外(概ね600万円超): 月額37,200円
具体的な金額は、あなたの所得区分により異なります。専門員または窓口で確認してください。
Q4:在宅(リモート)訓練は可能ですか?
A:可能な場合があります。
事業所と自治体の方針により異なります。在宅訓練を希望する場合、以下を確認しましょう。
確認事項:
- 事業所が在宅訓練に対応しているか
- 週何日、在宅訓練が可能か(完全在宅、週3在宅・週2通所など)
- 使用するツール(Zoom、Slack、バーチャルオフィスなど)
- 月1回の対面義務(スタッフ訪問 or 来所)
- 自治体が在宅訓練を承認するか
在宅訓練の可否・回数は、見学時に事業所に確認しましょう。また、受給者証の申請時に、相談支援専門員が「在宅訓練を希望する理由」を計画(案)に記載してくれます。
Q5:医師の書類の取得に時間がかかる場合は?
A:様式を事前に医療機関へ共有し、受診日を前倒しします。
医師の意見書の取得は、手続き全体で最も時間がかかる部分です。以下の方法で時間を短縮できます。
時短のコツ:
- 専門員から様式をもらったら、すぐに医療機関に送付
- 「受給者証の申請で意見書が必要」と伝え、受診日を前倒しできないか相談
- 普段の受診日を待たず、臨時の受診予約を取る
- 事前に様式を送付しておけば、受診当日にその場で受け取れることが多い
専門員が必要な様式を用意してくれるので、早めに相談しましょう。
Q6:障害者手帳がないと受給者証は取れませんか?
A:手帳がなくても取得可能です。
障害者手帳と受給者証は別物です。手帳がない場合でも、医師の意見書や診断書で、サービスの必要性が認められれば受給者証は発行されます。
実際に、精神科や心療内科の診断書だけで受給者証を取得している方は多数います。手帳の有無は専門員が確認してくれるので、心配不要です。
Q7:申請が却下されることはありますか?
A:まれにありますが、相談支援専門員がサポートしていればほぼ心配ありません。
却下される主なケース:
- 必要書類が不足している
- サービスの必要性が認められない(医師の意見書に具体的な配慮事項が書かれていない)
- 他のサービス(就労継続支援A型・B型など)の方が適していると判断された
相談支援専門員がサポートしていれば、書類の不備や記載内容の不足を事前にチェックしてくれるので、却下されるリスクは低いです。
もし却下された場合でも、不足している書類を追加したり、計画(案)を修正したりして、再申請できます。専門員が再申請の手続きもサポートしてくれます。
Q8:受給者証の有効期限はありますか?
A:あります。原則通算2年間です。
就労移行支援の受給者証は、原則として通算2年間の利用期間が設定されます。「通算」とは、複数の事業所を利用した場合、合計で2年間という意味です。
延長は可能?
原則2年間ですが、以下の条件を満たせば、最大1年間の延長が認められる場合があります:
- 就職が見込まれる
- 延長により就職の可能性が高まる
- 事業所と自治体が延長を認める
延長の判断は、利用期間の終了が近づいた時点で、事業所と相談支援専門員が一緒に検討してくれます。
Q9:受給者証を取得したら、必ずその事業所を利用しないといけませんか?
A:いいえ、事業所は変更できます。
受給者証に記載された事業所が合わないと感じた場合、事業所を変更できます。
変更の流れ:
- 相談支援専門員に「事業所を変更したい」と相談
- 新しい事業所を見学・体験
- 専門員がサービス等利用計画を変更
- 市区町村に変更届を提出
- 新しい事業所と契約
変更の手続きも、専門員がサポートしてくれます。「この事業所は合わないな」と感じたら、我慢せずに専門員に相談しましょう。
Q10:受給者証の申請中でも、事業所の訓練に参加できますか?
A:多くの事業所で、体験利用として参加可能です。
受給者証の申請中でも、多くの事業所で「体験利用」として訓練に参加できます。体験利用は無料で、回数制限もありません。
体験利用のメリット:
- 受給者証を待つ間も、訓練を進められる
- 事業所の雰囲気や訓練内容を確認できる
- 体験内容を申請書に反映すると、審査がスムーズになる
体験利用の可否は事業所により異なるので、見学時に確認しましょう。
トラブル事例と対策|失敗から学ぶ
ケース1:医師の意見書がなかなか取れない
状況:
Pさん(30代、うつ病)は、主治医の予約が1か月半先で、意見書の取得に時間がかかりました。そのため、申請が遅れてしまいました。
原因:
- 普段の受診予約を待っていた
- 医療機関に「急ぎ」と伝えなかった
対策:
- 医療機関に「受給者証の申請で意見書が必要なので、早めに受診したい」と伝える
- 臨時の受診予約を取る
- 様式を事前に医療機関に送付しておく
Pさんは、次回から医療機関に「急ぎで必要」と伝えるようにしたところ、受診日を前倒ししてくれるようになったそうです。
ケース2:事業所が決まらず、申請が遅れた
状況:
Qさん(20代、発達障害)は、複数の事業所を見学したものの、なかなか決められず、申請が遅れました。
原因:
- 完璧な事業所を探そうとした
- 見学だけで判断しようとした
対策:
- 「完璧」を求めず、「今の自分に合っているか」で判断する
- 見学だけでなく、体験利用もして、実際の訓練内容を確認する
- 相談支援専門員に「どの事業所が合っていると思うか」を聞く
Qさんは、専門員のアドバイスで「まずは体験利用してみましょう」と言われ、2つの事業所で体験利用をしたところ、「こっちの方が合っている」と実感できたそうです。
ケース3:自治体の窓口で「手帳がないと申請できない」と言われた
状況:
Rさん(40代、精神障害)は、自治体の窓口で「障害者手帳がないと受給者証は取れません」と言われ、諦めかけました。
原因:
- 窓口の担当者が制度を正確に理解していなかった
- 相談支援専門員がまだ見つかっていなかった
対策:
- 相談支援専門員を見つけて、専門員から窓口に説明してもらう
- 厚生労働省の通知を窓口に提示する(手帳がなくても申請可能と明記されている)
- 別の担当者に相談する
Rさんは、相談支援専門員を見つけて一緒に窓口に行ったところ、専門員が「手帳がなくても、医師の意見書で申請可能です」と説明してくれ、無事に申請できました。
【実務者の視点|市原早映】
「自治体の窓口担当者も、すべての制度に精通しているわけではありません。『手帳がないと無理』と言われても、諦めずに相談支援専門員を見つけてください。専門員が一緒に窓口に行けば、正しい情報を伝えてくれます。また、複数の担当者に相談することで、正確な情報が得られることもあります。」
提出前チェックリスト|印刷して使おう
提出前チェックリスト
1)専門家との準備
2)必要書類
3)窓口で確認すること
4)見学・体験で確認すること
まとめ|安心して新しい一歩を踏み出すために
受給者証の取得は、決して一人で戦う必要のない手続きです。
この記事で伝えたい3つのこと:
1. 何よりも先に「相談支援専門員」という伴走者を見つける
手続きの大部分は、その専門家がリードしてくれます。市区町村の障害福祉課で紹介してもらえるので、まずはそこに連絡しましょう。
2. 手続きの大部分は、専門家がリードしてくれる
あなたは見学や面談で、自分の希望を正直に伝えることに集中すればOKです。書類作成、スケジュール管理、役所との調整は、専門家がサポートしてくれます。
3. 受給者証があれば、ほとんどの方が実質0円で就労移行支援を利用できる
負担上限月額の制度により、多くの世帯で0円〜低額で利用できます。お金の心配をせず、訓練に集中できます。
この3つのポイントを心に留めておけば、不安なく、あなたに最適なサービス利用への扉を開くことができるはずです。この記事が、そのための確かな一歩となれば幸いです。
次のステップ|今日からできること
今日、または明日にできること:
- お住まいの市区町村の障害福祉課に電話する
- 「就労移行支援の利用を検討していて、相談支援専門員を紹介してほしい」と伝える
- 計画相談支援事業所のリストをもらう
- インターネットで「○○市 計画相談支援事業所」と検索
- 地域の事業所をリストアップ
- 就労移行支援に強い事業所を探す
- 気になる就労移行支援事業所に連絡
- 「見学したい」と伝える
- 受給者証がなくても見学・体験は可能
1週間以内にできること:
- 相談支援専門員と初回面談
- 主治医の受診予約を取る
- 1〜2つの事業所を見学
あなたの新しい一歩を、心から応援しています。
出典・一次情報
※本記事は、自治体の公開資料および相談支援の一般的な運用をもとに作成しています。実際の運用は自治体により異なります。
※最終更新日:2025年11月16日
この記事の監修者
市原 早映(いちはら さえ)
2017年より就労移行支援・定着支援の現場で支援に従事。就労移行の立ち上げにも携わり、現在は定着支援に従事しながら就労移行支援もサポートしています。

