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発達障害のある方の集中力をラクに管理するAIの使い方|過集中・気が散る悩みを解決

この記事は、サービス管理責任者の市原 早映が監修しています。

「5分ごとに気が散って、作業が全然進まない」

「気づいたら4時間ぶっ通しで作業していて、後でどっと疲れが出る」

「休憩を取るタイミングがわからなくて、疲れ果ててしまう」

こんな経験、ありませんか?

発達障害(ADHD・ASD等)の特性があると、集中力の「コントロール」は想像以上に難しい課題になります。周りの人は「集中すればいいじゃん」「休憩すればいいじゃん」と簡単に言いますが、その「コントロール」自体ができないんですよね。

この記事では、そんな集中力の管理の悩みを、AIというツールを使ってラクにする方法をお伝えします。


目次

なぜ集中力の管理がこんなに大変なのか(発達特性との関係)

集中力がコントロールできないのは、決して「やる気がない」からでも「意志が弱い」からでもありません。発達特性による、脳の注意制御の違いが原因です。

ADHDの特性がある場合

注意の持続が難しいため、5分ごとに別のことに気が散ってしまいます。

作業を始めても、スマホの通知が気になる、窓の外の音が気になる、さっき見たニュースのことを考えてしまう。「集中しよう」と思えば思うほど、気が散るものが増えていく感覚です。

**過集中(ハイパーフォーカス)**も、ADHDの特性の一つです。興味を持ったことには、時間を忘れて没頭してしまう。トイレも食事も忘れて、気づいたら4時間経っていた。その後、燃え尽きたように何もできなくなってしまいます。

「やめ時」がわからないのも困りごとです。適度なところで切り上げることができず、疲れ果てるまで続けてしまう。休憩を取るタイミングが判断できないんです。

ASD(自閉スペクトラム症)の特性がある場合

一つのことに固執してしまうため、いったん集中し始めると、止めることができなくなります。

「キリのいいところまで」と思っても、そのキリが見つからない。完璧にやり終えないと気が済まないので、延々と作業を続けてしまいます。

切り替えが苦手なのも、大きな困りごとです。作業モードから休憩モードへの切り替えができず、休憩中も仕事のことを考え続けてしまう。本当の意味で「休む」ことができません。

時間の感覚が曖昧なことも、管理を難しくします。「30分くらい」と思っていたら、実際には2時間経っていた。時間の経過が体感できないので、気づいたら疲労困憊になっています。

共通する困難

発達障害のある方に共通して見られるのが、自分の集中パターンがわからないということです。

「午前中は集中できるけど、午後はダメ」といった自分のリズムが把握できていないため、無理な時間帯に重いタスクをやろうとして、うまくいかずに自己嫌悪に陥ります。

また、「普通の休憩」がわからないのも困りごとです。どれくらいの頻度で、どれくらいの時間、休憩を取ればいいのか。その基準がないまま、疲れ果てるまで働き続けてしまいます。

これらの困りごとは、意志の弱さではなく、脳の注意制御システムの特性によるものです。適切なツールとサポートがあれば、十分に補うことができます。


AIを使うと、集中力の管理が何がラクになるのか

AIは、あなたの「集中力のコントロール」をサポートしてくれるツールです。

25分+5分の区切りをガイドしてくれる

Before(AIなし)

  • 「どれくらい集中したか」がわからない
  • 休憩のタイミングを逃して、疲れ果てる
  • 作業の区切りがつけられない

After(AIあり)

  • AIに「25分作業+5分休憩」のガイドを作ってもらう
  • 開始の合図、終了の合図、休憩中にやることまで教えてくれる
  • タイマーと組み合わせて、機械的に実行できる

過集中を切り上げる手順を教えてくれる

Before(AIなし)

  • 気づいたら4時間ぶっ通しで作業している
  • 「やめ時」がわからず、疲労困憊になる
  • 翌日、何もできなくなる

After(AIあり)

  • AIに「過集中を3分で切り上げる手順」を作ってもらう
  • 作業を一時保存→体を動かす→タイマーをセット、という具体的なステップがわかる
  • キリが悪くても、強制的に区切れる

自分の集中パターンを分析してくれる

Before(AIなし)

  • 自分がいつ集中できるのか、わからない
  • 無理な時間帯に重いタスクをやって、失敗する
  • 「集中できない自分はダメだ」と自己嫌悪に陥る

After(AIあり)

  • 1週間の集中度を記録して、AIに分析してもらう
  • 「午前中は10時以降が集中しやすい」「13時台は眠くなる」といったパターンがわかる
  • データに基づいて、無理のないスケジュールが作れる

AI活用のステップ

ステップ1:困っている状況をそのままAIに話す

まず、今困っている集中力の問題を、AIに伝えます。

例えば、こんな風に:

作業を始めても、5分ごとに気が散ってしまいます。
25分作業して5分休憩するポモドーロ・テクニックを試したいです。
始め方を教えてください。

または

気づいたら4時間ぶっ通しで作業していて、後でどっと疲れが出ます。
過集中を切り上げる方法を教えてください。

完璧な文章にする必要はありません。困っている状況を説明するだけでOKです。

ステップ2:AIに「ガイドを作って」と頼む

次に、AIに具体的なガイドを作ってもらいます。

AIに、こんな風にお願いしてみましょう:

25分作業+5分休憩のポモドーロ・テクニックで、3セット実施します。
各セットの「開始の合図」「終了の合図」「休憩中にやること」を作成してください。

すると、AIが具体的な行動レベルまで落とし込んだガイドを作ってくれます。

ステップ3:AIのガイドに従って実行する

AIが作ったガイドを見ながら、機械的に実行します。

実行のコツ:

  • スマホのタイマーを25分にセット
  • AIの「開始の合図」を読んで、作業を始める
  • アラームが鳴ったら、キリが悪くても強制的に手を止める
  • AIの「休憩中にやること」を実行する

「自分の判断」に頼らず、AIのガイドに従うことで、集中力のコントロールがラクになります。


AIへのお願い文(プロンプト)の例

ここでは、イメージがつく程度の簡単な例を2つだけご紹介します。

例1:25分+5分のポモドーロをガイドしてもらう

25分作業+5分休憩のポモドーロ・テクニックで、2セット実施します。
各セットの「開始の合図」「終了の合図」「休憩中にやること」を作成してください。

【作業内容】
経費精算の入力

【出力形式】
各セットごとに:
1. 開始の合図(作業に入るための短い声かけ)
2. 25分後の終了合図(達成感のある言葉)
3. 休憩中にやること(3つ、各1分程度でできること)

すると、AIがこんな風に作ってくれます:

【セット1】

開始の合図
「タイマー開始。経費精算、まずは今日分の領収書から入力していこう。」

25分後の終了合図
「よくできました!今日分の入力が前進。ここで一息つこう。」

休憩中にやること(各1分)
1. 首・肩をゆっくり回す
2. 目をつぶって深呼吸4回
3. 水を一口飲んで姿勢を整える

【セット2】

開始の合図
「再開。未入力の項目をチェックし、抜け漏れを埋めていこう。」

25分後の終了合図
「素晴らしい!精度もスピードも上々。これで今日の経費精算は完了間近。」

休憩中にやること(各1分)
1. 立ち上がって軽くその場歩き
2. 目のピント遠近体操(遠く→近くを交互に)
3. 次に確認する明細を1行だけメモして終了準備

このガイドを見ながら、タイマーと組み合わせて実行すれば、集中と休憩のリズムが作れます。

例2:過集中を3分で切り上げる手順を作る

過集中を3分で切り上げるための手順を作成してください。

【目的】
作業を中断して、休憩に入る

【条件】
- 各ステップは1分以内でできること
- 合計3分で完了
- 作業の続きが再開しやすいように配慮

【出力形式】
ステップ1〜3で、具体的な行動を書く

すると、AIがこんな風に作ってくれます:

【過集中の切り上げ手順(3分)】

ステップ1:今の作業を一時保存(1分)
- 作業中のファイルを保存(Ctrl+S)
- 「次にやること」を1文でメモ
  例:「次は、3章のグラフを作成」
- パソコンの画面を最小化(または画面ロック)

ステップ2:体を動かす(1分)
- 椅子から立ち上がる
- 窓の外を見る、または遠くを見る(目を休める)
- 腕を上に伸ばす、肩を回す

ステップ3:タイマーをセット(1分)
- スマホで「15分休憩」のタイマーをセット
- その間、作業のことは考えない
- 水を飲む、トイレに行く、おやつを食べる

この手順を、スマホのメモに保存しておけば、「過集中かも」と思った時にすぐ実行できます。


もっと詳しく知りたい方向けの「AIプロンプト集の使い方ガイド」

ここまで、集中力の管理でAIを活用する基本的な方法をお伝えしました。

「もっと色々な場面でAIを使いこなしたい」という方は、こちらのガイドも参考にしてみてください:

【就労移行】AIプロンプト集の使い方ガイド|生成AI活用方法

このガイドでは、AIプロンプトを上手に使うための基本的な考え方や、様々な業務場面での応用方法が学べます。集中力の管理だけでなく、メール作成、タスク管理、会議の記録など、幅広い場面でAIを活用する方法が理解できます。

将来的に、集中力管理に特化したより詳しいプロンプト集が追加された際にも、このガイドの知識があれば、すぐに使いこなせるようになります。


注意点とまとめ

完璧を目指さない

ポモドーロ・テクニックを使っても、毎回25分きっちり集中できるわけではありません。

15分で集中が切れることもあれば、20分で疲れることもあります。それで正常です。

大切なのは:

  • 「25分だけ」と思うことで、作業を始めやすくなること
  • 定期的に休憩を入れることで、疲労困憊を防げること
  • 完璧に集中できなくても、7割できたら上出来と考えること

自分に合った時間配分を見つける

この記事では「25分+5分」を紹介していますが、これが万人に合うわけではありません。

時間配分の調整例:

  • 集中が続かない方:15分+3分、または10分+2分
  • もっと長く集中したい方:50分+10分
  • 作業内容によって変える:ルーティンワークは50分、クリエイティブな作業は25分

AIに「自分に合った時間配分を提案して」と頼めば、色々なパターンを教えてくれます。

就労移行支援のスタッフと一緒に使うと安心

就労移行支援を利用している方は、AIの使い方をスタッフと一緒に練習できます。

「ポモドーロ・テクニックを試してみたいんですが」「過集中を止められないんですが」といった悩みも、一緒に考えてもらえます。

職場での集中力の管理方法や、合理的配慮の相談方法なども、サポートしてもらえるので安心です。

まとめ:完璧な集中力は目指さなくていい

「ずっと集中し続ける」のは、誰にとっても無理です。

でも、「25分だけ」「3分で切り上げる」「自分のパターンを知る」なら、できるかもしれません。

AIは、あなたを評価する相手ではなく、苦手を補うための道具です。集中力のコントロールという苦手なことを、AIというツールで補えば、あなたは無理なく働き続けられるようになります。

この記事のポイント

  • 集中力がコントロールできないのは、発達特性による注意制御の違いが原因
  • AIを使えば、ポモドーロのガイド、過集中の切り上げ手順が手に入る
  • 自分の集中パターンをデータで把握すれば、無理のないスケジュールが作れる
  • 完璧を目指さず、7割できたら上出来と考える

今日からできること

次に作業する時、スマホのタイマーを25分にセットしてみてください。

AIに「開始の合図」を作ってもらって、それを読んでから作業を始めましょう。

それだけで、「集中力をコントロールできるかも」という感覚を得られるはずです。

AIは、あなたの集中力管理の強力なパートナーになってくれます。


記事内で紹介したプロンプト集

監修者 市原早映の写真

この記事の監修者

市原 早映(いちはら さえ)

サービス管理責任者介護職員初任者研修修了

2017年より就労移行支援・定着支援の現場で支援に従事。就労移行の立ち上げにも携わり、現在は定着支援に従事しながら就労移行支援もサポートしています。

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