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発達障害のある方のプログラミング学習をラクにするAI活用術|特性を武器に変える方法

目次

プログラミング学習で感じる「自分には無理かも」という不安

「プログラミングを勉強してみたいけど、集中が続かなくてすぐに諦めてしまいそう」

「エラーメッセージが出ると、何を直せばいいのか分からなくてパニックになる」

「学習計画を立てても、いつも3日坊主で終わってしまう」

発達障害(ADHD・ASD等)の特性があると、プログラミング学習でこんな困りごとに直面することがありますよね。

でも、実はあなたの発達特性は、プログラミングの世界では大きな武器になる可能性があります。そして、困りごとの多くは、AIというツールを使うことで大幅に軽減できるんです。

この記事では、発達障害のある方がプログラミング学習をもっとラクに、もっと楽しく続けられるAI活用法をお伝えします。


なぜ発達障害のある方にプログラミングが向いているのか

「発達障害だからプログラミングは無理」と思い込んでいませんか?実は、その逆です。発達特性は、プログラミングの世界では強みになることが多いんです。

ADHDの方の強み

過集中力:興味を持ったことには、健常者以上の集中力を発揮できます。プログラミングで「これを作りたい!」という目標が見つかれば、時間を忘れて没頭できるのは大きなアドバンテージです。

柔軟な発想:既存の枠にとらわれない、クリエイティブなアイデアを思いつく力があります。新しい技術やツールにも柔軟に対応でき、「こんな機能があったら便利かも」という発想が生まれやすいです。

ASD(自閉スペクトラム症)の方の強み

論理的思考力:複雑な問題を分解して考える能力は、まさにプログラミングに必要なスキルそのものです。「なぜこのエラーが出るのか」を論理的に追求できるのは、大きな武器になります。

パターン認識力:規則性やパターンを見つけるのが得意な方が多く、コードの構造を理解したり、バグの原因を特定したりする際に力を発揮します。

細部への注意力:他の人が見落とすような小さなミスに気づける能力は、品質の高いコードを書く上で非常に重要です。

共通する強み

一つのことを深く追求する力:プログラミングは、一つの技術を深く理解することが求められる分野です。あなたの「深掘りする力」は、専門性の高いエンジニアになるための基礎になります。

静かな環境での作業:多くのプログラミング作業は、一人で集中して行います。対人コミュニケーションが苦手でも、感覚過敏があっても、静かな環境で黙々と作業できるのは理想的です。


プログラミング学習で困りやすいポイント(発達特性との関係)

プログラミングに向いている部分がある一方で、学習過程で困りごとが出てくることも事実です。でも、それは「能力不足」ではなく、脳の情報処理の特性によるものです。

ADHDの方が困りやすいこと

集中が続かない

長時間のコーディング作業で、途中で集中が切れてしまう。気づくとSNSを見ていたり、別のことを始めていたり。これは「やる気がない」のではなく、脳の注意制御の特性です。

ケアレスミスが多い

変数名のスペルミス、セミコロンの付け忘れ、カッコの閉じ忘れ。「さっき確認したのに、また同じミスをしてしまった」という経験は、多くのADHDの方が感じています。

計画性に欠ける

「今日は5時間勉強する!」と意気込んでも、何から始めればいいか分からず結局何もできなかった。大きな目標は立てられるのに、それを小さなステップに分解するのが苦手です。

ASD(自閉スペクトラム症)の方が困りやすいこと

曖昧な情報への対応

「このコードをいい感じに修正して」という指示に、「いい感じって、具体的にどういうこと?」と戸惑ってしまう。明確な基準がないと、どう進めればいいか判断できません。

変化への対応

せっかく慣れてきた開発環境が新しいバージョンになって、インターフェースが変わってしまった。新しい学習方法を試すことにも、強いストレスを感じることがあります。

完璧主義

「完璧なコードを書かなければ」というプレッシャーから、一行書くのに1時間かかってしまう。「動けばOK」と割り切れず、いつまでも細かい調整を続けてしまいます。

学習障害(LD)の方が困りやすいこと

英語のドキュメントが読めない

プログラミングの資料は英語が多く、読むのに時間がかかる。エラーメッセージも英語で、何が書いてあるのか理解するだけで疲れてしまいます。

複雑な構造の理解

入れ子になったコードの構造を頭の中で組み立てるのが難しい。「このカッコがどこまで続いているのか」が視覚的に追いにくいです。

これらの困りごとは、決してあなたの努力不足ではありません。脳の情報処理の特性によるもので、適切なツールとサポートがあれば、十分に補うことができます。


AIを使うと、プログラミング学習の何がラクになるのか

ここからが本題です。AIは、あなたのプログラミング学習における「困りごと」を、大きく軽減してくれるツールです。

学習計画を立てるサポート

Before(AIなし)

  • 「Webアプリを作りたい」という目標はあるが、何から勉強すればいいかわからない
  • 学習サイトをいくつも見て、情報が多すぎて混乱する
  • 結局、何も始められないまま1週間が過ぎる

After(AIあり)

  • AIに「初心者がWebアプリを作るまでの学習計画を、1ヶ月単位で教えて」と頼む
  • 「1ヶ月目:HTML/CSS、2ヶ月目:JavaScript基礎」と段階的な計画が出てくる
  • 毎週、「今週やるべきこと」をAIに確認して、迷わず進められる

エラー解決のサポート

Before(AIなし)

  • エラーメッセージが英語で、何を意味しているのかわからない
  • Google検索しても、難しい専門用語ばかりで理解できない
  • 1つのエラーに3時間かかり、モチベーションが下がる

After(AIあり)

  • エラーメッセージをそのままAIに貼り付けて、「これはどういう意味?どう直せばいい?」と聞く
  • AIが「このエラーは、〇〇が原因です。△△を追加してください」と分かりやすく説明してくれる
  • 5分でエラーが解決し、学習を続けられる

コードレビューのサポート

Before(AIなし)

  • 自分の書いたコードが正しいのか不安
  • 誰にも見せられず、「これで大丈夫かな」とずっと不安を抱えている
  • 細かい部分が気になって、いつまでも完成しない

After(AIあり)

  • AIに「このコードをレビューして、改善点を教えて」と頼む
  • AIが「この部分はもっと簡潔に書けます」「変数名をもっと分かりやすくした方がいいです」とアドバイスをくれる
  • 客観的なフィードバックを受けて、安心して次に進める

集中力のサポート

Before(AIなし)

  • 「今日は5時間勉強する」と決めても、途中で集中が切れる
  • 気づくとSNSを見ていて、罪悪感を感じる

After(AIあり)

  • AIに「ポモドーロ・テクニックでタイマーをセットして、25分ごとに声をかけて」と頼む
  • AIが25分ごとに「お疲れ様!5分休憩しましょう」と通知してくれる
  • 休憩を挟みながら、無理なく集中を続けられる

AI活用の具体例

実際にどんな風にAIを使えばいいのか、具体例を見てみましょう。

例1:学習計画を立ててもらう

AIに、こんな風にお願いしてみましょう:

私はプログラミング初心者で、Webアプリを作れるようになりたいです。
ADHDの特性があり、長時間の集中が苦手です。
1日2時間くらいの学習で、3ヶ月後に簡単なWebアプリが作れるようになる学習計画を、週単位で教えてください。

すると、AIがこんな風に答えてくれます:

【1ヶ月目:HTML/CSSの基礎】
- Week 1: HTMLの基本タグを覚える(1日30分×7日)
- Week 2: CSSで簡単なスタイリング(1日30分×7日)
- Week 3-4: 簡単なWebページを作ってみる(1日1時間×14日)

【2ヶ月目:JavaScriptの基礎】
- Week 5-6: 変数、関数、条件分岐を学ぶ
- Week 7-8: DOM操作で動きのあるページを作る

【3ヶ月目:簡単なWebアプリ作成】
- Week 9-10: ToDoアプリを作ってみる
- Week 11-12: 自分のアイデアで小さなアプリを作る

こうして、具体的で実行可能な計画が手に入ります。

例2:エラーメッセージを分かりやすく説明してもらう

プログラミング中にこんなエラーが出たとします:

Uncaught ReferenceError: myFunction is not defined

英語で、何を意味しているのかわかりませんよね。AIに聞いてみましょう:

このエラーメッセージの意味を、初心者にも分かりやすく教えてください:
Uncaught ReferenceError: myFunction is not defined

AIはこんな風に答えてくれます:

このエラーは、「myFunctionという関数が見つからない」という意味です。

【原因】
1. 関数名のスペルミス(例:myFunction を myFunctoin と書いている)
2. 関数を定義する前に、呼び出そうとしている
3. 関数を定義したファイルが読み込まれていない

【解決方法】
1. 関数名のスペルを確認してください
2. 関数を呼び出す行より前に、関数を定義しているか確認してください
3. HTMLファイルで、JavaScriptファイルが正しく読み込まれているか確認してください

これなら、何をチェックすればいいか明確ですよね。

例3:コードレビューをしてもらう

自分で書いたコードをAIに見てもらいましょう:

以下のコードをレビューして、改善点を教えてください:

function a(b, c) {
  var d = b + c;
  return d;
}

AIはこんなアドバイスをくれます:

コードは正しく動きますが、もっと読みやすくできます:

【改善点】
1. 変数名が分かりにくい
   - a, b, c, d ではなく、意味のある名前を付けましょう

【改善後のコード】
function calculateSum(firstNumber, secondNumber) {
  const sum = firstNumber + secondNumber;
  return sum;
}

さらに簡潔にすると:
function calculateSum(firstNumber, secondNumber) {
  return firstNumber + secondNumber;
}

このように、AIは「動くけど分かりにくいコード」を「読みやすいコード」に改善するアドバイスをくれます。


もっと詳しく知りたい方向けの「プロンプト集」

ここまで、プログラミング学習でAIを活用する基本的な方法をお伝えしました。

「実際に就職活動でAIを使いたい」「もっと具体的なプロンプトが知りたい」という方は、以下のプロンプト集も参考にしてみてください:

就職活動や就労移行の場面で使えるプロンプト集

これらのプロンプト集を活用することで、プログラミング学習だけでなく、就職活動全体をAIでサポートしてもらえます。


まとめ:AIはあなたの学習パートナー

プログラミング学習で感じる「難しい」「続かない」という気持ちは、決してあなたの能力不足ではありません。発達特性による情報処理の違いが原因で、適切なツールとサポートがあれば、十分に克服できるものです。

この記事のポイント

  • 発達障害の特性は、プログラミングでは強みになることが多い
  • AIを使えば、学習計画、エラー解決、コードレビューなど、様々な場面でサポートを受けられる
  • 就労移行支援なら、プログラミング×AI活用を経済的負担なく学べる
  • 実際に多くの方が、発達障害の特性を活かしてIT業界で活躍している

今日からできること

まずは、無料のAIツール(ChatGPTやGemini)にアクセスして、「プログラミング初心者が最初に学ぶべきことを3つ教えて」と聞いてみてください。

それだけで、AIがあなたの学習パートナーになってくれることが実感できるはずです。

そして、お近くの就労移行支援事業所を検索して、見学に行ってみてください。「プログラミングに興味があるんですが、発達障害があって不安で…」と正直に話せば、きっと親身になって相談に乗ってくれます。

AIは、あなたを評価する相手ではなく、苦手を補い、強みを伸ばすための道具です。あなたの発達特性は、プログラミングの世界では大きな武器になります。

その武器に、AIというツールを組み合わせれば、あなたは必ずプログラマーとして活躍できます。


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